課題
テーマパークを運営する同社では、来場数が季節・天候・イベントの有無に大きく左右され、広告投資の効率が読みにくいという構造的な課題を抱えていました。繁忙期は広告を出さなくても来場が伸びる一方、閑散期は広告を強化しても CV が伸び悩む。結果として「いつ・いくら投下するのが正解なのか」が判断できず、年間を通じてほぼ一定額を出稿し続ける運用が続いていました。
また、広告クリエイティブはパーク全体の世界観を訴求する汎用的なものが中心で、ファミリー層・カップル層・友人グループ層といった来場目的の違いに合わせた訴求の出し分けができていないことも課題でした。オンラインチケット販売を強化したい意向はあるものの、広告経由の CV は繁忙期に偏り、閑散期の集客装置として機能していない状態で LOads にご相談をいただきました。
アプローチ
1. 来場データと検索需要の突き合わせによる「出稿カレンダー」設計
最初に、過去の来場実績・チケット販売データと、検索ボリュームの季節変動を突き合わせ、「検索需要が立ち上がってから来場までのリードタイム」を時期別に可視化しました。繁忙期は来場直前の検索が多く、閑散期は数週間前から比較検討が始まる——この時間差を踏まえ、月次ではなく週次で予算を再配分する出稿カレンダーを設計。繁忙期は刈り取り中心、閑散期は前売チケット訴求中心と、時期ごとに広告の役割そのものを切り替える方針としました。
2. 来場目的別のクリエイティブ・LP 出し分け
汎用クリエイティブを廃し、ファミリー / カップル / 友人グループの 3 つの来場目的別に、広告クリエイティブと遷移先 LP のファーストビューを出し分けました。Meta / LINE 広告では年齢・興味関心シグナルに合わせて訴求軸 (アトラクション体験 / 季節イベント / フォトスポット) を変え、検索広告では「家族 おでかけ」系と「デート スポット」系で広告文とサイトリンクを分離。媒体ごとに散らばっていた訴求を、来場目的という 1 つの軸で整理し直しています。
3. 前売チケット導線の強化と閑散期の底上げ
閑散期対策としては、前売チケットの早期購入インセンティブを広告の主訴求に据え、来場日を事前確定させる導線を強化しました。LINE 広告とリターゲティングを組み合わせ、一度サイトを訪れたユーザーに来場候補日ベースのリマインド配信を実施。「行こうか迷っている層」を閑散期の来場に転換する設計です。
成果
支援開始後、オンラインチケットの広告経由 CV は支援前比で約 1.9 倍まで拡大。同時に CPA は約 31% 改善し、「繁忙期に強く、閑散期に弱い」という偏りを構造的に緩和できました。
特に閑散期は、前売チケット訴求の強化により来場に占める前売比率が約 1.5 倍に向上。来場日が事前に確定することで、運営側の人員配置や需要予測の精度向上にも波及効果が生まれています。広告を「出す・止める」ではなく、時期ごとに役割を切り替えて運用するという考え方が成果につながった事例です。
LOads が担当した支援領域
- 来場実績 × 検索需要データに基づく出稿カレンダー設計
- Google / Yahoo! 検索広告の運用改善 (来場目的別の広告グループ再編)
- Meta / LINE 広告の運用立ち上げと来場目的別クリエイティブ設計
- 前売チケット導線の LP 改善 / リターゲティング設計
- 週次の予算再配分と運用改善ミーティング