課題
複数ブランドの物件サイトと総合サイトを運営する同社では、サイトごとに GA4 の計測設計が異なり、事業横断で「どのサイト・どの導線が反響に効いているのか」を比較できない状態が長く続いていました。各サイトの制作会社が個別にタグを設定してきた経緯から、同じ「問い合わせ完了」でもイベント名や計測条件が揃っておらず、月次レポートは担当者が手作業で数値を突き合わせて作成。レポート作成だけで月 30 時間規模の工数がかかる一方、肝心の改善施策の議論には時間が割けていませんでした。
また、広告経由の流入は伸びているのに反響 (問い合わせ・来場予約) が比例して増えず、反響獲得単価が悪化傾向にあることも経営層の課題認識としてあり、「広告を増やす前に、まずサイト内で何が起きているかを正しく見たい」というご相談から LOads の支援が始まりました。
アプローチ
1. 計測設計の統合 (計測ポリシーの策定)
支援初期に全サイトの GA4 / GTM 設定を棚卸しし、イベント命名規則・CV 定義・パラメータ設計を 1 つの計測ポリシーに統合しました。「問い合わせ」「来場予約」「資料請求」など反響の種別を統一定義し、どのサイトでも同じ物差しで比較できる状態を整備。制作会社が複数社関わる体制を踏まえ、今後サイトを追加・改修しても計測が崩れないルールブックとして文書化しています。
2. 反響ファネルの可視化と離脱ポイント特定
統合した計測データを Looker Studio に集約し、「流入 → 物件一覧 → 物件詳細 → フォーム → 反響完了」のファネルをサイト横断で可視化しました。分析の結果、広告から物件詳細ページに直接流入したユーザーのフォーム到達率が著しく低いこと、そしてフォーム自体も入力途中の離脱が全体の 6 割超を占めることが定量的に明らかになりました。
3. 解析にもとづく導線・フォーム改善
特定した離脱ポイントに対し、優先度の高いものから改善を実装しました。物件詳細ページでは問い合わせ・来場予約への導線の位置と文言を AB テストで検証し、フォームでは入力項目の削減・ステップ分割・エラー表示の改善を段階的に実施。施策ごとの効果はすべてダッシュボード上で計測し、効果のなかった施策は早期に撤退する運用を徹底しました。
成果
改善実装後、**問い合わせフォームの完了率は支援前比 +58%**まで改善。広告費を増やすことなく反響数が積み上がった結果、反響獲得単価は支援開始前と比べて約 4 割の改善となりました。
また、手作業で作成していた月次レポートはダッシュボードに置き換わり、月 30 時間規模かかっていたレポーティング工数はほぼゼロに。空いた時間がそのまま改善施策の検討に充てられるようになり、マーケティング部門の定例会議も「数値の確認」から「次の打ち手の議論」へと質が変わったと評価をいただいています。
複数サイト・複数制作会社という大手ならではの分断構造を、計測ポリシーという共通言語で束ね直したことが成果の土台になった事例です。
LOads が担当した支援領域
- 全サイトの GA4 / GTM 設定棚卸しと計測ポリシー策定
- サイト横断の反響ファネル可視化 (Looker Studio)
- 物件詳細ページの導線 AB テスト設計・運用
- 問い合わせフォームの改善 (EFO) と効果検証
- 月次レポーティングの自動化 / 定例会議でのデータ解釈支援