課題
同機関が実施する助成金事業において、対象事業者への周知が公式サイト・業界誌・関連団体からの案内中心に偏っており、本来支援が届くべき事業者層まで情報が行き届いていない状況がありました。前年度の予算消化率は計画値を下回り、「制度は整っているのに、現場に届いていない」という構造的な課題が庁内でも認識されていました。
公式サイトのアクセスログを分析すると、直接流入と組織内ブックマーク経由の繰り返し閲覧が大半を占めており、新規の対象事業者からの流入はごく僅か。事業内容の詳細は公開できないものの、「制度の存在を知る → 自社が対象か判断する → 申請・相談する」というファネルそのものが回っていない、というのが LOads への相談時点での認識でした。
アプローチ
1. 対象事業者層のセグメント設計
最初に整理したのは、「制度の対象になり得るのは具体的にどんな事業者か」を解像度高く言語化することでした。業種・規模・所在地・直近の事業フェーズの 4 軸で対象事業者像をモデル化し、**「すでに同種の助成金を検索している顕在層」と「課題自体は持っているが、助成金という選択肢に気づいていない潜在層」**に分けて配信戦略を組みました。詳細は機密保持の観点から公開できませんが、共通言語として庁内合意を取った工程です。
2. 検索広告 × SNS 広告の役割分担
顕在層には Google 検索広告を中心に、関連キーワードで事業者向けの専用ランディングへ誘導する構成。潜在層には Meta (Facebook / Instagram) 広告で、経営者・事業責任者の関心領域に沿った訴求から、まず制度概要ページへ送り、その後リターゲティングで申請・相談ページへ引き上げる 2 段階の導線を構築しました。「制度名を知らせる」ではなく「対象事業者の課題と接続する」訴求設計に重きを置いています。
3. 公的機関特有の制約に合わせた運用フロー整備
公的機関の広告運用では、表現の事前審査・予算年度の明確な区切り・担当者の異動という民間とは異なる制約があります。LOads ではクリエイティブの事前承認フロー・月次の効果報告フォーマット・年度をまたぐ引き継ぎドキュメントをセットで整備し、広告運用が「担当者個人の取り組み」ではなく「機関としての継続施策」になるよう設計しました。
成果
運用開始後、申請・相談件数は前年度比で大幅増となり、予算消化率も計画値に到達しました。1 件あたりの周知コストも運用初期比で約半減し、限られた事業広報予算でも継続可能な獲得効率を実現しています。
数字以上に評価されているのは、年度替わりで担当者が交代した後も施策が途切れず継続できた点です。整備した運用フローとドキュメントが組織内で機能し、「個人技から仕組み」への転換ができたことが、公的機関の支援として重視している成果です。
同種の事業者向け広報をご検討の自治体・公的機関様には、守秘契約のうえでご相談を承ります。
LOads が担当した支援領域
- 対象事業者層のセグメント設計 / ターゲティング戦略立案
- Google 検索広告・Meta 広告の運用設計と日次最適化
- 専用ランディング・制度概要ページの導線改善 (段階設計)
- 公的機関向けのクリエイティブ承認フロー・報告フォーマット整備
- 年度をまたぐ引き継ぎドキュメントの作成と運用定着支援