課題
スマートフォンアプリを軸にサービスを展開する同社では、獲得広告の CPA が高止まりし、予算を増やすほど採算が悪化する状態が続いていました。広告経由のインストールは取れているものの、その後の登録・課金につながるユーザーの比率が低く、事業側からは「広告で取れるユーザーは質が低いのではないか」という疑念すら出ている状況でした。
LOads が初期診断で確認したのは、広告の最適化地点が「インストール」に置かれたままになっていることでした。媒体の学習はインストール単価を下げる方向に働くため、登録や課金に至りにくいユーザーを安く大量に集める構造になっており、CPA の高止まりは運用の巧拙ではなく計測設計の問題でした。あわせて、クリエイティブの検証が担当者の感覚に依存しており、何が効いたのかを振り返れる状態になっていないことも課題として整理しました。
アプローチ
1. 成果地点の再定義と計測設計の再構築
支援初期に、MMP (モバイル計測ツール) とアプリ内イベントの設計を見直し、「インストール → 登録 → 初回利用 → 継続課金」のファネル全体を広告側に返せる計測基盤を再構築しました。媒体に学習させる成果地点を「登録」に引き上げ、さらに継続課金につながりやすい初期行動 (登録後数日以内の特定アクション) をシグナルとして定義しています。
2. LTV 起点のキャンペーン再設計
計測基盤が整った段階で、Google (アプリキャンペーン) と Meta のキャンペーン構造を再設計しました。ポイントは、「安く獲れる層」ではなく「続けてくれる層」に予算を寄せることです。過去データから継続課金率の高いユーザー群の特徴を分析し、その層が反応しやすい訴求軸・配信面に予算配分をシフト。インストール単価は一時的に上がりましたが、登録 CPA と継続課金率で見ると明確に効率が改善しました。
3. クリエイティブ検証の型化
縦型動画・静止画・テキスト訴求をフォーマットごとに整理し、「訴求軸 × フォーマット」のマトリクスで月次検証を回す運用を導入しました。勝ちクリエイティブの要素 (冒頭 2 秒の構成、利用シーンの見せ方、オファーの置き方) を言語化して社内に共有し、制作のたびにゼロから企画しなくてよい状態をつくっています。
成果
支援開始後、新規登録数は支援前比で 2 倍近くまで拡大。同時に登録 CPA は約 34% 改善し、「予算を増やすと採算が悪化する」という構造を解消できました。広告経由ユーザーの継続課金率も約 1.5 倍に向上しており、「広告で取れるユーザーは質が低い」という社内の疑念を、データで覆せたことが大きな転換点となりました。
現在は、検証サイクルが月次で安定して回る体制が定着しており、新機能のリリースに合わせた訴求の切り替えも、事業側と LOads が同じダッシュボードを見ながら即日判断できる状態になっています。
LOads が担当した支援領域
- 広告アカウント / 計測設計の初期診断
- MMP・アプリ内イベントの計測再設計 (登録・継続課金シグナルの定義)
- Google アプリキャンペーン / Meta 広告の構造再設計と運用
- クリエイティブ検証マトリクスの設計と月次検証の運用
- LTV ダッシュボードの構築と週次の意思決定支援