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Web戦略設計の進め方:ロードマップ・KPI・施策優先度を一枚に整理する

Web戦略設計は施策選びではなく、事業ゴールから顧客導線・KPI・実行体制・改善頻度までを接続し、投資順を決める作業です。7項目の戦略設計キャンバスと4軸の優先度評価で、ロードマップを一枚に整理します。

Web施策を考えるとき、「SEOも広告もSNSもやったほうがいい」と分かっていても、限られた予算と人員で何から手をつけるか決められず、止まってしまう担当者は多いはずです。やることリストは増える一方なのに、優先順位がつかない。これはよくある状態です。

結論から言うと、Web戦略設計とは「施策を選ぶ作業」ではありません。事業ゴールから、顧客導線・KPI・施策・計測・実行体制までを一続きにつなぎ、投資する順番を決める作業です。 個々の施策の優劣を比べる前に、自社が今どこで詰まっていて、どの順で手を打つべきかを決める。これがWeb戦略設計の中心です。

この記事では、Web戦略設計を1枚に整理するための独自フレーム「Web戦略設計キャンバス」と、施策の優先順位を4つの軸で評価する方法を紹介します。施策名を並べるのではなく、社内で次に何を決めるかを判断できる状態を目指します。

この記事でわかること
  • Web戦略設計が「施策選び」ではない理由
  • 7項目を1枚にする「Web戦略設計キャンバス」
  • 事業タイプ別のKPIの置き方
  • 施策優先度を4軸で評価する方法
  • 半年〜1年のロードマップへの落とし込み

弊社ではWeb集客戦略に対するサポートも行っております。もし「Web戦略の進め方が社内でまとまらない」といったお悩みがあればぜひご相談ください。Web集客戦略サービスの概要はこちらから。

web戦略設計でまず押さえる結論

Web戦略設計でつまずく一番の原因は、施策を「足し算」で考えてしまうことです。あれもこれも必要に見えて、結果として全部が中途半端になります。

設計の出発点は、施策ではなく事業ゴールです。何を増やしたいのか(売上・問い合わせ・商談など)を決め、そこから逆算して、顧客がどの段階でどう動き、どのKPIを見て、どの施策を打つかをつなげます。施策は、事業ゴールと顧客導線が決まってはじめて選べるものです。 順番が逆になると、流行の施策に振り回されます。

そしてもう一つ大切なのが、「やらないことを決める」視点です。予算と工数が限られるなら、すべてはできません。成果に近い施策から着手し、効果が読めない施策や社内で回せない施策は後回しにするという割り切りが、設計には必要です。戦略立案の全体手順から確認したい場合は、基本の記事もあわせてどうぞ。

Web戦略の立て方

Web戦略設計キャンバス:7項目を一枚にする

LOadsでは、Web戦略設計を1枚で見るために「Web戦略設計キャンバス」という整理軸を使います。バラバラに考えがちな要素を、同じ紙面に並べて関係を見るためのものです。

項目 書き出す内容
事業目標 増やしたい売上・受注・問い合わせ
顧客段階 認知・比較・決定のどこが弱いか
CV地点 問い合わせ・購入・商談予約など
施策候補 SEO・広告・SNS・LP改善・CRM
計測可否 その成果を自社で測れるか
社内工数 誰がどれだけ実行に割けるか
営業フォロー 問い合わせ後の対応体制

このキャンバスの狙いは、施策を増やす前に3つの詰まりを先に見つけることです。ひとつは成果に近い導線の詰まり(流入はあるのにCVしない等)、ひとつは計測できない仮説(効果を測れない施策)、ひとつは社内で回せない改善作業(担当も時間もない施策)です。==この3つを先に分けるだけで、投資すべき順番が見えてきます。==

たとえば「広告を増やそう」となっても、CV地点のLPが弱く、計測も未整備で、対応する人もいないなら、広告より先に整えるべきものがあると分かります。施策単体ではなく、7項目の関係で見ることが設計の肝です。

このキャンバスのもう一つの効果は、社内の合意形成に使えることです。施策を口頭で議論すると、人によって前提がずれたまま話が進みがちです。7項目を1枚に書き出して関係者で見れば、「事業目標はこれ」「弱いのは決定段階」「計測はここが未整備」と前提がそろい、優先順位の議論が早く進みます。設計図は、自分の頭を整理する道具であると同時に、関係者の認識をそろえる共通言語でもあります。経営層への説明でも、施策の羅列より1枚のキャンバスのほうが、なぜその順番なのかを伝えやすくなります。

ワンポイントアドバイス: 私の実務見解として、このキャンバスは最初から完璧に埋めようとせず、粗くてもいいので一度全項目を書き切ることをおすすめします。空欄になった項目(多くは計測可否や営業フォロー)こそ、見落としがちな弱点であることが多いです。

Web集客戦略で決めるべき目的とKPI

キャンバスの「事業目標」を、測れるKPIに落とします。ここで一般論のKPIをそのまま使うと現場で機能しないため、事業タイプに合わせて選びます。

事業タイプ 主に置くKPIの例
BtoB・受注型 問い合わせ数、商談化率、受注単価
BtoC・サービス CV数、CVR、リピート率
EC・物販 購入数、CVR、客単価、LTV

KPIは、事業目標を要素に分解して置くのが基本です。たとえばBtoBなら「流入 × 問い合わせ率 × 商談化率 × 受注単価」のように分けると、伸ばすべきは流入なのか、問い合わせ率なのか、商談化率なのかが見えます。KPIを分解すると、どの施策がどの数字に効くかが結びつき、施策の優先順位が判断できるようになります。 各フレームの使い分けは、フレームワークの記事で深掘りできます。

Web戦略フレームワークの使い方

SEO・広告・SNS・サイト改善の役割分担

施策候補を、顧客段階ごとの役割で整理します。施策は単独でなく、役割の組み合わせで考えます。

施策 主な役割 効きやすい段階
Web広告 すぐ流入を作る 全段階(特に比較・決定)
SEO 安定流入・信頼形成 認知・比較
SNS 認知拡張・再接触 認知
サイト・LP改善 転換率を上げる 決定
CRM・メール 再訪・商談接続 決定後・再購入

キャンバスで「顧客段階のどこが弱いか」を決めていれば、強化すべき施策が絞れます。認知が足りないのにLPばかり直しても流入は増えませんし、流入はあるのに決定段階で離脱しているなら、新規集客より先にLPを直すべきです。自社の弱い段階に効く施策を選ぶのが、役割分担の使い方です。広告の比重が高くなる場合は、予算配分の詳細も参考になります。

Web広告戦略の作り方

顧客導線とカスタマージャーニーの整理

施策を実装する前に、顧客がどの段階で何に触れるかを並べます。施策は導線のどこを強化するものかが分かってはじめて、配置が決まります。

検討段階 顧客の状態 必要な接点
認知 課題に気づき始めた 基礎記事、SNS、比較情報
比較 解決策を探している 事例、費用、選び方
決定 依頼先を選んでいる サービス内容、問い合わせ導線

導線を描くと、施策の抜け漏れが見えます。 たとえば認知と決定の施策はあるのに、比較段階のコンテンツがない、といったズレが分かります。受け皿となるサイト側の整備がボトルネックの場合は、サイト戦略の記事もあわせて確認してください。

Webサイト戦略の作り方

判断ポイント

キャンバスを埋めたら、「事業目標から決定段階のCVまで、線が一本つながるか」を確認してください。どこかで線が切れている(計測できない、接点がない、対応する人がいない)箇所が、最初に手を打つべき場所です。

施策優先度・予算配分・ロードマップの作り方

設計の山場が、施策の優先順位づけです。LOadsでは、施策を次の4軸で評価します。施策名の人気ではなく、自社にとっての効きやすさで並べます。

評価軸 見ること
成果仮説 事業目標・KPIにどれだけ効きそうか
実行負荷 着手と運用にどれだけ手間がかかるか
計測可否 効果を自社で測れるか
営業接続 成果が商談・受注までつながるか

成果が大きく、負荷が低く、計測でき、営業につながる施策から着手するのが基本です。 効果が大きくても計測できなければ、続けるか止めるかの判断ができません。負荷が高すぎる施策は、社内で回らず止まります。4軸で見ると、「やりたい施策」と「今やるべき施策」のズレが見えます。

簡単な使い方として、各軸を3段階(高・中・低)でスコア化し、成果仮説が高く実行負荷が低いものを「すぐやる」、成果は高いが負荷も高いものを「準備して後で」、成果が低いものを「今はやらない」に振り分けると、議論が一気に進みます。完璧な点数づけより、施策を3つの箱(すぐやる・後で・やらない)に分けることが目的です。特に「やらない」を決められると、限られたリソースが分散せず、最優先施策に集中できます。

優先度が決まったら、半年〜1年のロードマップに落とします。

期間の目安 着手すること
最初の1〜2か月 計測整備、CV地点の点検、最優先施策の着手
3〜6か月 効いた施策の拡大、次点施策の検証
7〜12か月 安定運用と改善、新規施策の追加

予算が限られるほど、新規施策の量より、計測と最優先施策に集中するほうが成果に近づきます。設計したロードマップは固定せず、運用しながら見直します。見直しの判断は、専用記事も参考になります。

Web戦略を見直すタイミング

GA4・Search Console・広告データ・CRMで見る指標

設計した施策が効いているかを判断するには、データを役割で分けて見ます。1つのツールだけでは、事業目標までの流れは見えません。

見る場所 主に分かること
Search Console 検索流入、表示、流入キーワード
GA4 流入後の行動、転換、キーイベント
広告管理画面 広告経由の流入、CV、配信状況
CRM・営業データ 問い合わせの質、商談化率、受注

媒体やGA4の指標だけで設計の成否を判断すると、商談化や受注の質を見落とします。設計の段階で「このKPIはどのツールで測るか」を決めておくと、運用後に効果を判断できます。計測できないKPIを置くと、後で振り返れません。

特に、ロードマップの各段階で「何を見て次を決めるか」を先に決めておくと、改善会議が機能します。指標を集める作業ではなく、見て次を決める作業に時間を使える状態を、設計の段階で用意しておきます。

よくある失敗例と改善パターン

Web戦略設計でつまずくパターンには共通点があります。多くは施策の知識不足ではなく、設計の順番や前提の問題です。

失敗パターン 起きる問題 改善の方向性
施策を足し算で決める 全部が中途半端になる 事業目標から逆算して絞る
用語・媒体で施策を選ぶ 自社の詰まりと合わない キャンバスの弱点から選ぶ
CV計測が曖昧 効果を判断できない 設計時に計測可否を確認
LP改善を後回し 流入してもCVしない 決定段階を先に整える
ロードマップが固定 状況変化に対応できない 定期的に見直す前提にする

特に多いのが、立派な戦略資料を作ったのに実行されないケースです。原因は、社内工数や営業フォローを設計に入れていないことが多いです。実行体制を考えずに施策だけ設計すると、絵に描いた餅になります。キャンバスに「社内工数」「営業フォロー」を入れているのは、このためです。

Web戦略コンサルへ相談すべきタイミング

Web戦略設計は、現状分析・KPI・優先度づけ・計測・実行体制を同時に見る必要があり、社内だけでは負荷が大きくなります。次の状態なら、外部への相談を検討する目安です。

  • キャンバスを埋めても、施策の優先順位を決めきれない
  • KPIを置いても、どのツールで測るか分からない
  • 施策を実行する社内工数が確保できない
  • ロードマップを作っても、実行が前に進まない
  • 成果が停滞し、何を見直すべきか判断できない

外部に頼む場合も、全てを丸投げする必要はありません。設計と優先度づけは一緒に、実行は社内、といった分担も可能です。設計だけを依頼するのか、実行・計測・改善まで含めるのかを最初に決めると、依頼範囲が明確になります。

依頼先を選ぶときは、施策の実行が得意かだけでなく、事業目標から逆算して優先順位とロードマップを一緒に描けるかを見てください。施策の代行ではなく、「何にどの順で投資するか」を一緒に設計できる相手を選ぶと、設計が成果につながりやすくなります。

相談前チェックリスト

設計やその相談を進める前に、手元の情報を整理しておくと、提案が具体的になります。5つの分類で確認します。

分類 確認すること
計測 GA4・広告CV・Search Consoleの設定状況
LP 主要なCV地点のLP・フォームの有無
予算 広告費・制作費・運用費の想定
社内体制 実行・改善にかけられる担当とリソース
営業連携 問い合わせ後の対応速度・商談化の仕組み

このチェックが複数当てはまる(未整備が多い)場合は、施策を増やす前に土台を整えるところからになります。相談前に大切なのは、施策名を決めることではなく、計測・LP・予算・体制・営業連携の現状を共有できることです。

よくある質問

Q. Web戦略設計の費用はいくらかかりますか?

設計だけ、設計+実行、計測やLP改善まで含める場合で費用感は変わります。まずは事業目標と現状(計測・LP・体制)を整理すると、必要な範囲と費用を見積もりやすくなります。立派な資料より、実行できる設計に投資するほうが成果につながります。

Q. Web戦略設計は自社でできますか?

キャンバスを使えば、設計の骨子は社内でも作れます。ただし、施策の優先度づけ、計測設計、実行体制まで一人で回すのは負荷が大きくなります。設計と優先度づけは外部と一緒に、実行は社内、といった分担から始めるのが現実的です。

Q. どの指標を見れば設計の効果が分かりますか?

事業目標から分解したKPIを、Search Console・GA4・広告管理画面・CRMで役割を分けて見てください。設計の段階で「このKPIはどのツールで測るか」を決めておくと、運用後に効果を判断できます。計測できないKPIは置かないことが大切です。

Q. 施策の優先順位はどう決めればよいですか?

成果仮説・実行負荷・計測可否・営業接続の4軸で評価し、成果が大きく負荷が低く計測でき営業につながる施策から着手します。やりたい施策ではなく、自社にとって今効きやすい施策を選ぶことで、限られた予算でも成果に近づきます。

Q. Web戦略設計はいつ外部に相談すべきですか?

施策の優先順位を決めきれない、KPIの測り方が分からない、実行工数が確保できない、ロードマップを作っても進まない、といった状態なら相談のタイミングです。設計と優先度づけから一緒に進めると、止まっていた実行が動き出しやすくなります。

まとめ

Web戦略設計は、施策を選ぶ作業ではなく、事業ゴールから顧客導線・KPI・施策・計測・実行体制までをつなぎ、投資する順番を決める作業です。7項目のWeb戦略設計キャンバスで全体を1枚にし、成果に近い詰まり・計測できない仮説・社内で回せない作業を先に分けます。

施策は、成果仮説・実行負荷・計測可否・営業接続の4軸で評価し、半年〜1年のロードマップへ落とします。予算が限られるほど、新規施策の量より計測と最優先施策に集中するのが基本です。

ロードマップは固定せず、運用しながら見直します。設計の段階で実行体制と計測を組み込んでおくことが、絵に描いた餅で終わらせないための鍵です。

参考にした公式情報

執筆者情報
LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

執筆者情報

LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

Webマーケティング会社・大手Web系企業を経て独立し、デジタルマーケティング業界で14年のキャリア。2018年より東京・福岡を中心に、Web広告運用やSEO対策・AIO対策などのデジタルマーケティング支援を大手・中小企業問わず行っています。100社以上のマーケティング支援の現場で得た知見をもとに、独自の知見とナレッジでコラムを発信しています。

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