質問BOX 同業者の皆様へ 運営会社

Web戦略セミナーで学ぶべきこと|受講後90日の社内実装手順

Web戦略セミナーは「誰が主催しているか」で学べる中身が変わります。主催者4タイプの違い、無料セミナーの前提、告知ページの見方、経営者と担当者の出席分担、受講後90日で決めることまでを実務目線で整理します。
Web戦略セミナー受講後に社内実装する90日計画を示すアイキャッチ

「Web戦略セミナー」で検索すると、制作会社の開催告知、ツールベンダーのウェビナー、商工会議所の講座が並びます。どれも似た説明文で、自社に合うものがどれなのか判断しづらい状態です。

結論から言うと、Web戦略セミナーは誰が主催しているかで学べる中身が変わります。同じ「Web戦略」という名前でも、制作会社が話すWeb戦略と、ツールベンダーが話すWeb戦略と、公的機関が話すWeb戦略は別物です。==主催者タイプを見分けることが、セミナー選びの最初の作業==になります。

そのうえで、受講後に社内の意思決定が進むかどうかで最終的な価値が決まります。誰が、いつまでに、どのKPIを見て、どの施策を止める・伸ばす・外部に相談するのか。ここまで決まらないと、どれだけ良いセミナーでも学習効果は薄いままです。

まずは主催者4タイプの違いを押さえ、無料と有料で得られるものの差、告知ページで確認する7項目、経営者と担当者の出席分担、受講後90日で決める3つの順に判断していくと、迷いにくくなります。

この記事でわかること

  • 主催者4タイプで変わる中身の違い
  • 無料セミナーで実際に起きること
  • 告知ページで確認する7項目
  • 経営者と担当者の出席分担
  • 受講後90日で決める3つの要素

Web戦略セミナーとは?主催者4タイプで学べる中身が変わる

Web戦略セミナーとは、Webサイト・広告・SEO・SNSをどう組み合わせて事業成果につなげるかを扱う講座の総称です。決まった定義や資格があるわけではなく、主催者がそれぞれの立場から「戦略」と呼んでいます。

そのため、まず見るべきは講座名ではなく主催者です。主催者タイプごとに、話される内容も、受講後に起きることも変わります。

主催者タイプよく扱われる内容受講費の傾向受講後に起きやすいこと
制作会社・広告代理店最新トレンド、サイトリニューアル、自社の支援事例無料が中心個別相談・提案の案内がある
ツールベンダー自社ツールを前提とした運用手順とデータの見方無料が中心無料トライアル・導入提案がある
商工会議所・公的支援機関中小企業向けの基礎、制度・補助金の説明無料〜低額営業提案はほぼない。自社への個別最適化は薄い
研修会社・スクール体系的なカリキュラム、演習・課題つき有料継続講座や上位コースの案内がある

この表で見てほしいのは、優劣ではなく得意分野と、受講後に受け取る提案の種類です。サイトのリニューアルを検討しているなら制作会社主催が近く、社内の基礎知識をそろえたいなら公的機関主催が近くなります。

公的機関のセミナーは探し方が分かりにくいので、入口だけ挙げておきます。中小企業基盤整備機構のイベント・セミナー一覧では、中小企業向けの講座が地域・テーマ別に掲載されています。地域の商工会議所も同様の枠を持っており、東京商工会議所のデジタルシフト・DXポータルでは、デジタル活用の相談窓口とセミナー案内がまとまっています(2026年7月22日確認)。

自社の課題が「知識不足」なのか「判断できないこと」なのかで、==選ぶべき主催者は変わります==。知識不足なら公的機関や研修会社、判断材料が欲しいなら実務を持つ制作会社・代理店のほうが近くなります。

受講目的は「知識収集」か「判断材料」か、先に1つ決める

Web戦略セミナーの目的を知識収集と実装判断に分ける分岐図

Web戦略セミナーの受講には、「知識を得るための受講」と「実装の判断材料を得るための受講」があります。多くの人は前者のつもりで参加しますが、社内を動かしたいなら後者の姿勢で臨むほうが持ち帰れるものが増えます。

知識収集が目的なら、最新トレンドや事例を幅広く学ぶことに価値があります。一方、判断材料が目的なら、聞いた内容を自社の状況に当てはめながら聞く必要があります。同じセミナーでも、この姿勢の違いで受講後の動き方が変わります。

おすすめは、受講前に「このセミナーで自社の何を判断したいか」を1つだけ決めておくことです。「広告とSEOのどちらを先に投資すべきか」「サイトを直すのはいつか」のように、判断したいことを持っておくと、質疑応答で聞くべきことも決まります。

ワンポイントアドバイス: 判断したいことを1つに絞れない場合は、現状の流入数、問い合わせ数、いま動いている施策の3つを紙に書き出してから告知ページを読み直してください。自社の詰まりが見えると、必要なセミナーも絞れます。

無料セミナーと有料講座、どちらを選べばよい?

無料セミナーは、主催者が自社のサービスを知ってもらうために開いているものが大半です。そのため、内容は入門的な範囲にとどまり、終盤に個別相談や提案の案内が入ることが一般的です。これは悪いことではなく、前提として知っておけば選びやすくなります。

有料講座は、受講費を回収する必要があるぶん、演習や個別フィードバックまで含むものが多くなります。ただし、体系的に学べても自社の数字に当てはめる作業は残ります。

無料セミナー・ウェビナー有料講座・研修
主な目的主催者のサービス認知受講者のスキル習得
深さ入門〜概要が中心体系的・演習つき
所要時間の目安1時間前後の単発が多い半日〜複数回
受講後個別相談・提案の案内継続講座・上位コースの案内
向いている人情報収集・比較検討の段階担当者を育てたい段階

「無料だから質が低い」わけではありません。無料でも、実務担当者が登壇するセミナーは具体的です。判断すべきは価格ではなく、登壇者が実務を持っているかどうかです。

経営者と担当者、どちらが出席すべき?

Web戦略セミナーは、出席するレイヤーによって適した講座が変わります。経営者が実務系の講座に出ると細かすぎ、担当者が経営系の講座に出ると抽象的すぎる、という食い違いが起きやすい部分です。

出席者向いているセミナー持ち帰るもの
経営者・決裁者投資判断・全体設計・同業事例が中心のもの予算配分と優先順位の判断軸
マーケティング担当者施策別の実務・ツール操作・改善手順が中心のもの翌週から動かせる作業手順
両者が同席同じ回に2名以上で参加できるもの受講後の社内合意が速くなる

現場でよく見るのは、担当者だけが受講して、決裁者に共有した時点で話が止まるケースです。決裁が必要な施策を扱う回ほど、決裁者と一緒に出るほうが受講後の進みは速くなります。

施策別の実務スキルを担当者に付けたい場合は、Web戦略よりも一段細かい研修が向いています。選び方は別記事で整理しています。

この記事もおすすめ|Webマーケティングセミナーの選び方:社内実装につながる5つの確認軸|担当者のスキル研修を選ぶ場合は、こちらの確認軸のほうが実務に近いです。|

告知ページのどこを見れば中身が分かる?(受講前チェック7項目)

セミナーの告知文は、どれも似た言葉で書かれています。それでも、次の7項目を見ると中身の想像がつきます。申し込む前に上から順に確認してみてください。

  • 対象者(経営者/担当者/初学者)が明記されているか
  • 登壇者が実務担当者か、営業担当者か
  • 扱うテーマが1つに絞られているか、総花的か
  • 紹介される事例が自社と近い業種・規模か
  • 質疑応答の時間が確保されているか
  • 個別相談・提案の案内が含まれると書かれているか
  • 資料や録画の後日共有があるか

このうち、==最も外れが少ないのは「登壇者が実務担当者かどうか」==です。実際に運用している人の話は、告知文が同じでも具体度がはっきり違います。

対象者が書かれていない告知は、幅広い層に向けた総論になりがちです。対象者とテーマが両方絞られている回を優先すると、聞いた内容をそのまま自社に当てはめやすくなります。

判断ポイント

「面白そう」「新しそう」で選ばず、自社の今の詰まり(流入不足・転換不足・再接触不足)に合うテーマかで選んでください。この基準があると、流行に振り回されずに済みます。

受講後90日で決める3つは何か(担当・KPI・改善会議)

Web戦略セミナー受講後90日の施策優先度を計測・LP・会議体で整理したマップ

受講後に最もつまずきやすいのが、「学びが多すぎて、何から手をつければよいか分からない」状態です。ここを越えるには、決めることを3つに絞って90日で区切ります。

決めるのは、担当者、見るKPI、改善会議の3つです。施策優先度のつけ方は、成果に近く、かつ自社で着手しやすいものから始めるのが基本になります。効果が大きくても準備に時間がかかるものは後ろに回します。

期間の目安決めること・着手すること
受講後すぐ〜30日担当決め、見るKPIの確定、計測の点検
31〜60日優先施策の着手、改善会議の設置
61〜90日成果の振り返り、続ける施策の判断

==この3つの中では、改善会議を最初に予定へ入れる==のが確実です。担当やKPIは後から調整できますが、振り返る場がないと施策はやりっぱなしになり、続けるか止めるかの判断もされません。月1回でも、決まった時間に数字を見て次を決める場があるだけで実装は続きます。

アズくんワンポイント: 「90日でどこまで決めればいいの?」って、最初はかなり迷いますよね〜

受講直後の30分でやること

セミナー直後の30分で、学んだことを自社の目的・KPI・現場指標に粗く書き出してください。1週間後に整えるより、熱量があるうちに未完成でも形にするほうが実装へ進みます。

学びを単発のイベントで終わらせず、毎月の意思決定に変えることが、セミナー投資を回収する近道です。3Cやカスタマージャーニーで受講メモを整理したい場合はWeb戦略フレームワークの使い方、施策の優先順位づけまで進めたい場合は7項目キャンバスで整理するweb戦略設計の進め方が近い内容です。KPIの置き方そのものを整理したい場合は、基本手順の記事も合わせて確認してください。

この記事もおすすめ|Web戦略の作り方は現状分析からKPI逆算まで6ステップで進める|現状分析からKPI逆算・改善運用まで解説|受講後のKPI設計と施策の優先順位づけを、基本手順から組み立て直したい場合に読んでください。|

改善会議で見る数字を固定する方法

セミナーで指標の話を聞いても、自社のツールで見られる状態になければ判断できません。受講後にまず確認すべきは、語られた指標を自社で見られるかどうかです。

検索からの流入はSearch Consoleの検索パフォーマンスレポートで表示回数・クリック・掲載順位を分けて確認できます。サイト内の成果はGA4のキーイベントとして設定しておくと、流入後の転換まで一続きで追えます。

改善会議の資料は、ツール別ではなく「流入、転換、商談化」の順に1ページへまとめてください。指標を集める作業ではなく、次を決める作業に時間を使える状態が続けるコツです。

受講後に実装が止まるのはなぜか(5つの失敗パターン)

セミナー後に実装が進まないパターンには共通点があります。多くは知識不足ではなく、受講後の段取りの問題です。

失敗パターン起きる問題改善の方向性
受講して満足する何も決まらず終わる受講前に「決めること」を用意する
担当を決めない誰も動かない担当とKPIをセットで決める
一度に全部やろうとする中途半端になる優先度をつけ90日で区切る
計測を整えない効果が判断できない受講直後に計測を点検する
改善会議がないやりっぱなしになる月1回の振り返りを設置する

特に多いのが、受講直後は盛り上がるのに、日常業務に戻ると元通りになるケースです。学びの量を増やせば社内が動くと考えると、セミナーを重ねるほど「分かっているのに動けない」状態が深まります。

社内実装が止まったら、いつ外部に相談すべき?

Web戦略セミナー後に内製継続か外部相談かを分ける判断チェック

セミナーで学んでも、社内だけで実装まで進めるのが難しいことはあります。次の状態が続くなら、知識を足すより外部への相談を検討する目安です。

  • 受講したが、何から手をつけるか社内で決められない
  • KPIや担当を決めても、改善が回り出さない
  • 学んだ施策を自社の計測で確認できる状態にない
  • 施策の優先順位を判断できる人が社内にいない
  • 受講を重ねても、実行が一向に前へ進まない

外部に頼む場合も、全てを丸投げする必要はありません。実行は社内、優先順位づけと計測設計は外部、といった分担も可能です。学びの提供を求めるのか、実装の伴走まで求めるのかを最初に決めると、依頼範囲が明確になります。

判断基準社内で続けやすい状態支援範囲を相談したい状態
月額予算小さく検証できる範囲が決まっている予算配分をSEO・広告・LPで分けられない
商材単価・検討期間受注単価と検討期間を把握しているどのCV地点を優先すべきか曖昧
既存LP・計測環境LPとGA4・広告CVを確認できる計測やフォーム導線の不備が多い
改善頻度・体制月1回以上の改善会議がある担当はいるが判断者が決まらない

費用はセミナー参加費だけで見るより、学んだことを実装するための工数で考えるほうが現実的です。無料ウェビナーでも、社内でKPI設計や計測整備が止まれば実装コストは高くなります。反対に有料講座でも、受講後の担当・会議体・改善指標が固定されれば投資判断はしやすくなります。

==選ぶべきは、セミナーの代わりに教えてくれる相手ではなく、判断を一緒に進められる相手==です。知識を教えてくれるかだけでなく、自社の状況に合わせて優先順位と実行計画を作れるかを見てください。

この記事もおすすめ|Web戦略コンサルティングとは?施策の優先度を決める手順を解説|相談する場合の支援範囲・費用・依頼先の切り分けを、先に把握しておきたい方向けです。|

相談前にそろえる5つの情報

相談を進める前に、手元の情報を整理しておくと話が具体的になります。完璧な資料は不要です。

そろえる情報具体的な中身
受講で得た論点自社に当てはめたい学び、判断したいこと
目的とKPI売上・問い合わせなどのゴールと指標
既存施策いま動いている施策と、その成果
計測環境GA4・広告CV・CRMの設定状況
体制担当の有無、改善にかけられるリソース

これらがそろうと、受講内容のどこから実装すべきか、社内で進めるか外部に相談するかを具体的に検討できます。大切なのは学びを並べることではなく、現状を共有できることです。

ワンポイントアドバイス: 相談前資料は完璧でなくてかまいません。受講メモ、今のKPI、止まっている施策、判断に迷っている点の4つだけでも、初回相談の精度は上がります。

よくある質問

Q. Web戦略セミナーはどこで探せますか?

主催者タイプごとに探す場所が変わります。制作会社・代理店・ツールベンダーの回は各社サイトのセミナーページに掲載され、公的機関の回は中小企業基盤整備機構や地域の商工会議所のイベント一覧に載ります。自社の課題が知識不足なら公的機関、判断材料が欲しいなら実務を持つ支援会社の回から探すと外れが少なくなります。

Q. 無料セミナーだけで十分ですか?

情報収集や比較検討の段階なら、無料セミナーで足ります。ただし内容は入門的な範囲にとどまることが多く、自社の数字に当てはめる作業は残ります。担当者を育てたい段階に入ったら、演習やフィードバックのある有料講座を検討してください。

Q. 営業されるのが不安な場合はどうすればよいですか?

無料セミナーの多くは、主催者のサービスを知ってもらうために開かれています。告知ページに個別相談の案内があるか確認し、提案を受けたくない場合はアンケートの相談希望欄を空欄にしておけば大きな負担にはなりません。営業提案をほぼ受けたくないなら、公的機関主催の回を選ぶ方法もあります。

Q. 経営者と担当者、どちらが参加すべきですか?

扱うテーマによります。投資判断や全体設計の回は経営者・決裁者、施策別の実務やツール操作の回は担当者が向いています。決裁が必要な施策を扱う回は、2名以上で同席すると受講後の社内合意が速くなります。

Q. 受講後にまず何をすべきですか?

受講直後の30分で、学んだ内容を自社の目的・KPI・現場指標に書き出し、担当と改善会議を決めてください。熱量があるうちに「誰が・いつまでに・どの指標を見るか」を固定すると、学びが実装に変わります。時間が経つほどメモは眠りやすくなります。

まとめ

Web戦略セミナーは、講座名ではなく主催者タイプで中身が変わります。制作会社・代理店、ツールベンダー、公的機関、研修会社の4タイプを見分け、自社の課題が知識不足なのか判断材料の不足なのかで選び先を決めてください。

申し込む前には、対象者、登壇者、テーマの絞り込み、事例の近さ、質疑応答、提案案内の有無、資料共有の7項目を確認します。経営者と担当者では向いている回が違うため、決裁が必要なテーマは同席がおすすめです。

受講後は、担当・KPI・改善会議の3つを90日で固定します。ここが決まらないまま日常業務に戻ると、学びは少しずつ忘れられていきます。受講を成果に変えるのは知識の量ではなく、受講後の段取りです。

この記事もおすすめ|Web広告×セミナー集客の設計:告知から商談化まで全手順を解説|自社でセミナーを開く側に回る場合は、告知と集客の設計をこちらで確認できます。|

参考にした公式情報

執筆者情報
LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

執筆者情報

LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

Webマーケティング会社・大手Web系企業を経て独立し、デジタルマーケティング業界で14年のキャリア。2018年より東京・福岡を中心に、Web広告運用やSEO対策・AIO対策などのデジタルマーケティング支援を大手・中小企業問わず行っています。100社以上のマーケティング支援の現場で得た知見をもとに、独自の知見とナレッジでコラムを発信しています。