課題
同社のオウンドメディアは記事数 300 本超・月間数十万 PV と、BtoB SaaS としては十分な規模に育っていました。しかしリード獲得への貢献はごくわずかで、オーガニック流入からの資料請求・問い合わせは月数件にとどまる状態でした。
要因を分解すると、流入の大半が製品とは距離の遠いノウハウ系キーワードに偏っており、検討段階のユーザーが検索する「課題名 + ツール」「製品カテゴリ + 比較」といった商談に近いキーワード群ではほぼ圏外。さらに、記事内の CV 導線が末尾のバナー 1 つのみで、読了前に離脱する大多数のユーザーに次のアクションを提示できていない構造でした。社内の評価指標も PV 中心で、「読まれているのに売上につながらない」ことへの打ち手が定まっていませんでした。
アプローチ
1. 検索意図 × 商談貢献度マトリクスでの記事棚卸し
支援初期に全記事を棚卸しし、検索意図 (情報収集 / 比較検討 / 導入直前) と商談貢献度の 2 軸でマッピングしました。PV は多いが商談から遠い記事、PV は少ないが検討層が読む記事を仕分け、リライト 40 本・新規制作 20 本・統合 / 削除 30 本の優先順位に落とし込んでいます。
2. 比較・検討 KW 群の取り切りと CV 導線の多層化
「課題名 + ツール」「カテゴリ + 比較」「競合カテゴリ + 乗り換え」など、商談に直結するキーワード群を集中的に制作・リライトしました。あわせて CV 導線を末尾バナー頼みから、記事の文脈に合わせたホワイトペーパー・診断・事例への 3 種導線へ多層化。検討段階に応じて差し出すオファーを変えることで、読了前のユーザーも取りこぼさない設計にしています。
3. 自走できる企画・計測フレームの定着
施策を一過性にしないため、KW 選定 → 構成 → CV 設計までをテンプレート化し、マーケティングチームへ移管しました。GA4 では記事単位の MQL 貢献を計測できるイベント設計を整備し、「PV ではなく商談貢献で記事を評価する」運用を定例レポートに組み込んでいます。
成果
支援開始後、オーガニック経由の MQL は支援前平均比で約 4 倍に拡大。記事から CV への転換率は 0.3% から 1.4% まで改善し、「課題名 + ツール / 比較」群の主要キーワードで 1〜5 位を獲得しました。指名検索や広告に依存していたリード獲得構造に、オーガニックという継続的な経路が加わった形です。
PV 規模の大きいオウンドメディアほど「成果が出ている」と見えがちですが、商談貢献の軸で棚卸しすると伸びしろが残っているケースは少なくありません。コンテンツ資産を活かしながら評価軸と導線を組み替えることが、BtoB SaaS のメディア再生では最短ルートだと LOads は考えています。
LOads が担当した支援領域
- 全記事の検索意図 × 商談貢献度マッピングと改善優先順位の設計
- 比較・検討キーワード群の記事制作・リライトディレクション
- ホワイトペーパー / 診断 / 事例の 3 種 CV 導線設計
- GA4 / GTM による記事単位の MQL 貢献計測の実装支援
- マーケティングチーム向け企画テンプレートと定例レポート運用の整備