アプリ広告とASOの連携方法:広告流入をインストール率改善につなげる設計
「広告のクリックは増えているのに、インストールが思ったほど伸びない」「広告とストアページ、どちらを直せばいいのか分からない」。アプリの獲得を改善しようとする担当者が、よくぶつかる壁です。広告だけを見て入札やクリエイティブをいじっても、原因がストアページにあれば、いくら直しても成果は変わりません。
ここで鍵になるのが、アプリ広告とASO(アプリストア最適化)の連携です。広告でストアに連れてきたユーザーが、ストアページで離脱せずにインストールし、その先で使い続けてくれるか。広告とストアは、別々ではなく「ひとつの導線」として設計する必要があります。
この記事では、ASOの一般論ではなく、広告で連れてきたユーザーをストアで落とさず、初回起動・継続・課金まで伸ばす"連携設計"に絞って解説します。CPIが悪いのか、ストアCVR(ストア閲覧からインストールへの転換率)が悪いのか、起動後の質が悪いのかを切り分け、次に直す場所を決められる構成です。なお、ストアの仕様は変わるため、最新情報は公式でも確認してください。
弊社ではアプリ広告に対するサポートも行っております。もし広告流入は増えているのにインストール率が伸びないといったお悩みがあれば、広告とストア改善をまとめてぜひご相談ください。アプリ広告サービスの概要はこちらから。
- ストアCVRを「広告の後工程」として捉える考え方
- CPI・ストアCVR・起動後の質のどこが詰まっているかの切り分け
- 広告の勝ち訴求をストアページへ反映する手順
- 広告担当とASO担当が同じKPIで動くための分担
まず押さえる結論:ストアCVRは「広告の後工程」
最初に、最も大事な視点を共有します。広告とASOは競合する施策ではなく補完関係にあり、ストアCVRが改善すれば、同じ広告予算でもインストールが増え、実質的にCPIが下がるのです。だからこそ、ストアCVRは「広告の後工程」として、広告とセットで改善すべき対象です。
考え方はシンプルです。インストール数は、おおまかに「広告のクリック数 × ストアCVR × 初回起動率」で決まります。広告でクリックを増やしても、ストアCVRが低ければ、その先で取りこぼします。逆に、ストアページを改善してCVRが上がれば、広告のクリックが同じでもインストールは増えます。
仮の数値で考えると(説明用の例です)、月のクリックが1万、ストアCVRが20%なら、インストールは2,000件です。ここでストアページを改善してCVRが25%になれば、クリックを1件も増やさずにインストールは2,500件に増えます。広告費は同じなので、実質的にCPIが2割下がった計算です。ストアCVRの改善は、広告費を増やさずにインストールを増やす"もう一つの蛇口"なのです。実際、Appleのカスタムプロダクトページの活用でコンバージョン率が向上した事例も報告されており、ストア改善の効果は小さくありません。広告の入札やクリエイティブをいじる前に、まずストアの蛇口が絞られていないかを見る価値があります。
ところが現場では、広告担当はCTRやCPIを、ASO担当はストアの文言やスクショを、それぞれ別々に見ていることが多くあります。これでは、広告で約束したことがストアで裏切られていても気づけません。広告とストアを「ひとつの導線」として、同じ会議で見ることが連携の出発点です。アプリ広告全体の前提は、アプリ広告とはの記事も参照してください。
ワンポイントアドバイス:改善を始める前に、「広告のクリックは取れているか」「ストアでインストールされているか」「入れた後に使われているか」の3つを分けて数字で確認してください。どこで落ちているかで、直す場所がまったく変わります。
どこが詰まっているかを切り分ける
改善の第一歩は、原因の場所を特定することです。CPI・ストアCVR・初回起動率・継続率のどこで数字が落ちているかを見て、広告・ストア・アプリ内のどれを直すかを決めるのが、無駄打ちを避ける鍵です。下の表は、症状別の切り分けです。
| 症状 | 疑う場所 | 主な打ち手 |
|---|---|---|
| クリックは多いがインストールが少ない | ストアページ(ASO) | スクショ・説明・レビュー改善 |
| そもそもクリックされない | 広告クリエイティブ | 訴求・素材の見直し |
| インストール後すぐ離脱する | 初回起動体験 | オンボーディング改善 |
| 入れても使われない・課金しない | 獲得の質・アプリ内体験 | ターゲット・最適化対象の見直し |
特に多いのが、1行目の「クリックは多いのにインストールが少ない」パターンです。これは広告ではなくストアページの問題で、広告のクリエイティブをいくら変えても改善しません。広告のクリックが取れているのにインストール率が低いなら、直すべきはストアページです。逆に、クリックそのものが少ないなら広告側、という具合に、落ちている段階の一つ手前を疑います。
切り分けのコツは、各段階の数字を「率」で見ることです。クリック率(広告の引き)、ストアCVR(ストアの説得力)、初回起動率(入れた後すぐ開くか)、継続率(使い続けるか)を分けて見れば、どこの率が業界の感覚より低いかで、ボトルネックが浮かび上がります。漠然と「CPIが高い」とまとめず、率に分解して見るのが第一歩です。配信後にどこで詰まっているかの全体的な切り分けは、成果が出ない理由の記事も参照してください。
広告の「勝ち訴求」をストアページへ反映する
連携の中心になるのが、広告とストアページの訴求をそろえることです。広告で反応が良かった訴求(勝ち訴求)を、ストアページのスクリーンショットや説明文に反映し、広告とストアで同じ約束をすることが、ストアCVRを上げる近道です。広告で期待を高めたのに、ストアで別のことを言っていては、ユーザーは離脱します。
下の表は、広告の要素を、ストアのどの要素に対応させるかの一例です。
| 広告で見せたもの | 反映するストア要素 |
|---|---|
| 反応の良かった訴求コピー | 1枚目スクショの見出し、説明文の冒頭 |
| 訴求した主要機能・利用シーン | スクリーンショットの順番・内容 |
| 安心材料(実績・評価など) | レビュー・評価、説明文の信頼要素 |
広告で「3タップで予約完了」が刺さったなら、ストアの1枚目のスクショでも同じ手軽さを見せます。広告とストアのトーンや約束をそろえると、遷移後の離脱が減ります。ユーザーの頭の中では、広告を見た瞬間の期待が、ストアに着いた数秒で「合っている/違う」と判断されます。この数秒で期待を裏切らないことが、ストアCVRを左右します。広告で勝った訴求をストアに持ち込み、ストアで勝った要素を次の広告に活かす、という往復で改善が回るのが理想です。広告の訴求やクリエイティブの作り方は、クリエイティブの作り方の記事に整理しています。
なお、AppleのカスタムプロダクトページやGoogle Playのカスタムストアリスティングを使えば、流入元やキーワードに合わせてストアの見せ方を出し分けることもでき、広告との一致をさらに高められます。たとえば「予約の手軽さ」を訴求した広告からの流入には手軽さを前面に出したページ、「品揃え」を訴求した広告からの流入には品揃えを見せるページ、というように出し分けると、広告ごとに最適なストア体験を用意できます。スクリーンショットはA/Bテストで磨く余地が大きく、上位アプリほど継続的に検証しているとされます。
起動後の質まで見る:CVRだけで満足しない
ストアCVRが上がっても、それで終わりではありません。ストアCVRを上げても、インストール後に使われなければ事業には貢献しないため、初回起動・登録・課金・継続まで含めて質を担保する必要があります。安くたくさんインストールされても、幽霊ユーザーばかりでは意味がありません。
ここで効いてくるのが、起動後イベントの計測です。インストールの先にある初回起動・登録・課金・継続を計測し、「広告とストアで集めたユーザーが、ちゃんと定着しているか」を確認します。もし、ストアCVRは高いのに継続率が低いなら、広告やストアで「期待を盛りすぎ」て、実際の体験とギャップが生まれている可能性があります。誇張したスクショや、実態と違う訴求でインストールを増やすと、開いた瞬間に「思っていたのと違う」と離脱され、CVRの数字だけが良くなって事業は伸びない、という事態になります。ストアCVRだけを追って期待を盛りすぎると、定着しないユーザーを増やしてしまうことになります。広告・ストア・アプリ内の体験が、同じ期待でつながっているかを見ることが大切です。計測の実装やイベント設計は、効果測定の記事に整理しています。
媒体ごとの学びをASOに活かす
連携は、媒体ごとに得た学びをストアに還元することでも深まります。広告媒体ごとに反応の良い訴求やキーワードが分かるので、それをストアの最適化(ASO)に反映すると、自然流入の改善にもつながります。広告は、ストアを磨くためのヒントの宝庫でもあります。
たとえば、Apple Search Adsで反応の良かったキーワードは、App Storeで実際に検索されている言葉なので、ストアの文言(タイトルやサブタイトル、キーワードフィールド)の最適化のヒントになります。広告で「お金をかけて検証した検索語」を、自然流入を増やすASOにも転用できる、ということです。Apple Search AdsとASOの関係は、Apple Search Adsの記事に詳しくまとめています。Googleのアプリキャンペーンで効いた訴求は、ストアの説明文やスクショに活かせます。Googleアプリ広告の設計は、Googleアプリ広告の記事を参照してください。広告で得た「何が刺さるか」のデータを、ストアと次の広告の両方に還元することで、広告(有料流入)とASO(自然流入)の両輪が回り、獲得全体が底上げされます。
広告担当とASO担当をつなぐ:同じKPIで動く
最後に、連携を組織として機能させる話です。広告担当とASO担当が別々の指標で動いていると連携は進まないため、共通のKPIとタスク分担を決めて、同じ会議で改善を判断することが欠かせません。下のチェックリストは、連携と相談の前に整理しておきたい項目です。
- 計測:CPI・ストアCVR・初回起動・継続を分けて見られる
- 共通KPI:広告とASOで追う共通の成果指標が決まっている
- 担当分担:広告・ストア・計測の担当と責任範囲が明確
- 改善頻度:広告とストアを同じサイクルで見直せる
- 予算:ストア改善(A/Bテスト等)にも工数・予算を割けている
広告とASOを別々の担当が見ていて連携が取れていない、ストアCVRが低いまま広告だけ増やしている、という場合は、まず共通KPIで同じ会議に乗せることから始めます。それでも切り分けや改善が進まない、計測がバラバラで比較できない、という場合は、外部の知見を入れる価値があります。広告運用・ASO・イベント計測を分けて見直したい場合は、代理店の選び方の記事も参照してください。
CPI・ストアCVR・初回起動率のどこに課題があるか、現状の計測状況から整理したい場合は、現状を共有いただければ、広告とストアをまとめてご相談に乗れます。
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よくある質問
Q. アプリ広告とASOはどう連携させればよいですか?
広告とストアを「ひとつの導線」として、同じ会議で改善します。広告で連れてきたユーザーが、ストアページで離脱せずインストールし、その先で定着するか、を一連で見ます。広告で反応の良かった訴求をストアのスクショや説明文に反映し、ストアで効いた要素を次の広告に活かす、という往復で改善を回します。広告担当とASO担当が共通のKPIで動くことが前提です。
Q. CPIが高いとき、広告とストアのどちらを直すべきですか?
切り分けが必要です。広告のクリックは取れているのにインストール率が低いなら、原因はストアページ(ASO)です。そもそもクリックが少ないなら広告側です。ストアCVRが改善すれば、同じ広告予算でインストールが増え、実質的にCPIが下がります。CPIだけを見て入札やクリエイティブをいじる前に、どの段階で落ちているかを確認してください。
Q. ストアページのどこを改善すればよいですか?
まず、広告の訴求と一致しているかです。1枚目のスクリーンショットや説明文の冒頭で、広告で見せた魅力を同じように見せます。あわせて、スクリーンショットの順番・内容、レビューや評価といった安心材料を整えます。AppleのカスタムプロダクトページやGoogle Playのカスタムストアリスティングを使うと、流入元に合わせて見せ方を出し分けることもできます。
Q. ストアCVRを上げれば成果は出ますか?
ストアCVRの改善は重要ですが、それだけでは不十分です。CVRを上げても、インストール後に使われなければ事業には貢献しません。初回起動・登録・課金・継続まで計測して、定着しているかを確認してください。ストアCVRは高いのに継続率が低い場合、広告やストアで期待を盛りすぎている可能性があります。広告・ストア・アプリ内の期待を一致させることが大切です。
Q. 広告とASOは別々の担当でも大丈夫ですか?
担当が分かれていても、共通のKPIと同じ改善会議でつながっていれば問題ありません。むしろ問題なのは、広告担当がCTR・CPI、ASO担当がストアの文言を、それぞれ別々に見て連携していない状態です。これだと、広告で約束したことがストアで裏切られていても気づけません。CPI・ストアCVR・継続を分けて見られる計測と、共通KPIを先に整えてください。
まとめ
アプリ広告とASOは、競合ではなく補完関係にあります。ストアCVRが改善すれば、同じ広告予算でインストールが増え、実質的にCPIが下がります。だからこそ、ストアCVRは「広告の後工程」として、広告とセットで改善する対象です。
改善は、CPI・ストアCVR・初回起動率・継続率のどこで落ちているかを切り分けることから始めます。クリックは多いのにインストールが少ないならストアページ、クリックが少ないなら広告、という具合に、落ちている段階の一つ手前を直します。広告で勝った訴求をストアに反映し、ストアで効いた要素を次の広告に活かす往復で、改善が回ります。
ただし、ストアCVRだけを追って期待を盛りすぎると、定着しないユーザーが増えます。起動後の質まで見て、広告・ストア・アプリ内の期待を一致させてください。広告担当とASO担当が共通KPIで同じ会議に乗ることが、連携の前提です。広告とストアをまとめて見直したい場合は、現状を共有いただければご相談に乗れます。
参考にした公式情報
- Apple Search Ads(Apple Ads) https://searchads.apple.com/
- Google 広告 ヘルプ(アプリ キャンペーン) https://support.google.com/google-ads/answer/6247380?hl=ja
- Google 広告 ヘルプ(コンバージョン トラッキング) https://support.google.com/google-ads/answer/6167164?hl=ja
- Meta(Facebook)アプリ広告 https://www.facebook.com/business/ads/app-ads
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