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アプリ広告とWeb広告の違い:アプリ集客で媒体と計測をどう分けるか

アプリ広告とWeb広告の違いを、配信面、費用、CPI、計測、ASO連携、予算配分の観点から実務向けに解説します。

「Web広告は回せているが、アプリの集客にも予算を割くべきか」「アプリ広告は、Web広告と同じ感覚で評価していいのか」。Web広告とアプリ広告の予算配分を考える責任者が、最初に迷うポイントです。掲載面が似ているため同じものに見えますが、実は「成果をどこで・どう測るか」がまったく違います。

ここを混同すると、Web広告と同じ物差しでアプリ広告を評価してしまい、判断を誤ります。Web広告は自社サイト内で成果を測れますが、アプリ広告はストアを経由するため、計測の仕組みも、見るべき指標も、予算の張り方も変わります。

この記事では、アプリ広告とWeb広告の違いを、掲載面の違いで終わらせず、インストールの前後で評価軸が変わる点に注目し、媒体・計測・改善担当・予算配分をどう分けるかを判断できるように整理します。アプリ広告は「獲得施策」というより、「計測設計の違いで投資判断が変わる施策」だと捉えると、見え方が変わります。なお、仕様は変わるため、最新情報は公式でも確認してください。

弊社ではアプリ広告に対するサポートも行っております。もしWeb広告からアプリ集客へ予算を移すべきか迷っているといったお悩みがあれば、設計の考え方をぜひご相談ください。アプリ広告サービスの概要はこちらから。

この記事でわかること
  • Web広告とアプリ広告の「CV地点」と計測の違い
  • アプリ広告で見るべき指標(CPIの先まで)
  • 予算の張り方が変わる理由(計測の制約)
  • Web広告とアプリ広告の役割分担と相談の目安

まず押さえる結論:違いは「成果をどこで測るか」

最初に、最も大事な違いを共有します。Web広告は自社サイト内(購入・申込完了ページ)で成果を測れるが、アプリ広告はストアを経由するため、計測の仕組みも見るべき指標も変わるのです。掲載面ではなく、この「CV地点と計測」の違いが、両者を分ける本質です。

Web広告では、クリックした人が自社サイトに来て、LPを見て、フォームや購入に進みます。コンバージョン地点(CV地点)が自社サイト内にあるので、タグを埋めれば計測でき、クリック後の行動も追いやすい。極端に言えば、Web広告は「自分の家の中での出来事」なので、隅々まで見えるのです。

一方、アプリ広告は、クリックした人がアプリストア(App Store / Google Play)に飛び、そこでインストールします。ストアは自社サイトではないので、タグを埋められず、ストアを経由する時点でセッションが一度途切れるのです。これは「他人の家(ストア)を経由する」ようなもので、その間の出来事は直接は見えません。だから、インストール後のデータをひも付けるために、SDK(アプリに組み込む計測の仕組み)やSKAdNetworkといった、アプリ特有の計測が必要になります。SDKはアプリ内の行動を計測し、SKAdNetworkはAppleがプライバシーに配慮した形で、広告とインストールをひも付けて返してくれます。

この違いがあるため、Web広告と同じ感覚でアプリ広告を評価すると、計測のずれや遅延に戸惑います。アプリ広告は、計測の前提が違うことを理解したうえで、予算と指標を設計する必要があります。アプリ広告全体の前提は、アプリ広告とはの記事も参照してください。

ワンポイントアドバイス:Web広告とアプリ広告を同じレポートに並べる前に、「それぞれのCV地点は何か(サイト内CVか、ストアのインストールか)」を確認してください。CV地点が違えば、数字の意味も比べ方も変わります。

CV地点・計測・改善対象の違いを並べる

両者の違いを、実務で効く観点で並べてみます。CV地点・計測方法・クリック後の遷移先・改善対象が、Web広告とアプリ広告では別物です。下の表で整理します。

観点 Web広告 アプリ広告
CV地点 自社サイト内(購入・申込完了) アプリストアのインストール
計測方法 タグ(サイトに埋め込み) SDK・MMP・SKAdNetwork
クリック後の遷移先 LP・フォーム・購入ページ アプリストアの製品ページ
主な改善対象 LP・フォーム・購入導線 ストア(ASO)・初回体験・継続

Web広告は、クリック後のLPやフォームを改善すれば成果が上がりやすく、計測も比較的すぐ反映されます。改善の打ち手が、自社で握れるサイト内に集約しているのが強みです。アプリ広告は、ストアページ(ASO)の改善や、インストール後の初回体験・継続・課金まで含めて見る必要があり、計測も遅延や制約があります。改善対象が広告・ストア・アプリ内とまたがるため、関わる担当も増えます。Web広告は「サイト内で完結」、アプリ広告は「ストアを越えてアプリ内まで」評価するという違いが、改善の進め方を変えます。ストア改善はASO連携の記事に整理しています。

見るべき指標が変わる:CPIの先まで

評価する指標も、Web広告とアプリ広告で変わります。Web広告はCVR・CPA・ROASでサイト内の成果を測るが、アプリ広告はCPIに加えて、初回起動・継続・課金まで見ないと本当の成果が分からないのです。下の表で対応を整理します。

段階 Web広告で見る指標 アプリ広告で見る指標
獲得効率 CPC、CVR、CPA CPI、ストアCVR
事業価値 購入単価、申込数 初回起動率、登録率、課金率
回収・継続 ROAS、リピート ROAS、継続率(リテンション)

Web広告は、サイト内のCV(購入・申込)まで見れば、おおむね投資判断ができます。アプリ広告は、インストール(CPI)はあくまで入口で、その先の初回起動・継続・課金まで見ないと、回収できる獲得かどうかが判断できません。アプリ広告でCPIだけを見るのは、Web広告でクリック数だけを見るのと同じくらい不十分です。Web広告に慣れた担当者ほど、「CV=ゴール」の感覚でインストールをゴールにしてしまいがちですが、アプリではインストールはまだ入口で、ゴールは継続・課金にあります。この一段深い評価軸の違いが、Web広告との最大の認識ギャップです。CPI・LTVの費用判断は、費用相場の記事に、成果が出ない時の切り分けは、成果が出ない理由の記事に整理しています。

計測の制約で、予算の張り方も変わる

意外に見落とされやすいのが、計測の制約が予算配分にまで影響することです。アプリ広告(特にiOS)は、計測に遅延や制約があり、一定のデータ量がないと成果が正しく返らないため、予算を薄く分散させにくいという特性があります。Web広告と同じ感覚で少額分散すると、計測が成り立たないことがあります。

iOSでは、SKAdNetworkを使った計測に最大24時間程度の遅延があり、リアルタイムの判断が難しくなります。Web広告なら「今日出して今日数字を見て調整」ができますが、アプリ広告のiOS計測では、その日のうちに正確な成果は分かりません。さらに、一定のデータ量に達しないと、媒体が成果(コンバージョン)をまとめて返さない(Nullになる)こともあります。アプリ広告で日予算を薄く分散すると、データが貯まらず、成果が正しく計測されないリスクがあるのです。

だからアプリ広告では、媒体を絞り、ある程度まとまった予算を投下して、機械学習と計測が回る状態を作るのが基本になります。Web広告の「少額で複数媒体を試して、良いものに寄せる」やり方をそのまま持ち込むと、どの媒体も計測が成り立たず、判断できなくなることがあります。Web広告のように細かく分散するより、集中して学習を回す発想が必要です。なお、SKAdNetworkの新しい規格(SKAN 4.0など)では、Web掲載面からアプリへのアトリビューションにも対応が進んでおり、Web経由でアプリへ誘導する設計(Web to App)も取りやすくなっています。Webとアプリを完全に別物として切り離すのではなく、つなげて設計する余地も広がっています。

役割分担と予算配分:どう分けるか

Web広告とアプリ広告は、競合ではなく役割が違います。サイトでの獲得(問い合わせ・購入)はWeb広告、アプリのインストールと定着はアプリ広告、と役割を分け、それぞれの計測前提に合った予算と指標で評価するのが基本です。下のチェックリストは、予算配分と相談の前に整理しておきたい項目です。

予算配分・相談前チェックリスト
  • 目的:獲得したいのはサイトCVか、アプリのインストール・定着か
  • 計測:アプリ側はSDK・SKANで主要イベントを測れる状態にある
  • 指標:Webはサイト内CV、アプリはCPIの先(継続・課金)で見ている
  • 予算:アプリ側は分散せず、学習が回る規模を確保できる
  • 担当:Web(LP・フォーム)とアプリ(ストア・初回体験)の改善担当が明確

下の表は、目的別に、どちらの広告が中心になるかの目安です。

目的 中心になる広告
サイトでの問い合わせ・資料請求 Web広告(検索・SNS)
ECサイトでの購入 Web広告(検索・ショッピング等)
アプリのインストール獲得 アプリ広告(Google/Meta/ASA等)
アプリの課金・継続ユーザー獲得 アプリ広告(イベント最適化)

自社の目的が「サイトでの問い合わせ・購入」なら、まずWeb広告の最適化が中心です。一方、アプリのインストールと定着が目的なら、アプリ広告を、計測前提に合った設計で進めます。両方やる場合は、それぞれ別の物差しで評価し、予算を分けて管理します。なお、ECや予約のように「アプリでもWebでも完結できる」事業では、同じユーザーがWebとアプリを行き来するため、両方を横断して見られる計測がないと、貢献の二重カウントや見落としが起こりやすくなります。媒体全体の役割は、デジタル広告媒体の選び方の記事も参照してください。

Web広告からアプリ集客へ予算を移すべきか、CPIだけで判断してよいか不安、という場合は、媒体選定とイベント計測の前提を一緒に整理できます。自社のアプリ広告で見るべき指標と改善順序を相談したい場合は、現状の配信状況と計測状況を共有いただければご相談に乗れます。アプリ側の改善まで誰に頼むかは、代理店の選び方の記事も参照してください。

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よくある質問

Q. アプリ広告とWeb広告は何が違うのですか?

最大の違いは「成果をどこで・どう測るか」です。Web広告は自社サイト内(購入・申込完了)でCVを測り、タグで計測できます。アプリ広告はアプリストアを経由してインストールが成果地点になるため、ストアにタグを埋められず、SDKやSKAdNetworkといったアプリ特有の計測が必要です。掲載面は似ていても、計測の仕組みも見るべき指標も予算の張り方も変わります。

Q. アプリ広告はCPIで判断してよいですか?

CPI(インストール単価)は入口の指標で、それだけでは不十分です。Web広告でクリック数だけを見るのと同じくらい、アプリ広告でCPIだけを見るのは判断材料として足りません。インストールの先にある初回起動・継続・課金まで見て、回収できる獲得かを判断してください。CPIが安くても定着しなければ「安く失敗している」状態です。

Q. アプリ広告は予算を分散させてよいですか?

iOSのアプリ広告は、計測に遅延や制約があり、一定のデータ量がないと成果が正しく返らないことがあります。Web広告のように日予算を薄く分散すると、データが貯まらず計測が成り立たないリスクがあります。アプリ広告では、媒体を絞り、ある程度まとまった予算を投下して、機械学習と計測が回る状態を作るのが基本です。分散より集中が向いています。

Q. Web広告とアプリ広告は両方やるべきですか?

目的次第です。サイトでの問い合わせ・購入が目的ならWeb広告、アプリのインストールと定着が目的ならアプリ広告が中心になります。両方やる場合は、競合ではなく役割が違うものとして、それぞれの計測前提に合った別の物差しで評価し、予算を分けて管理してください。同じレポートで単純に比べると、CV地点が違うため判断を誤ります。

Q. 計測はWeb広告と同じでよいですか?

違います。Web広告はタグでサイト内のCVを計測しますが、アプリ広告はストアを経由してセッションが途切れるため、SDK・MMP・SKAdNetworkでインストール後のデータをひも付ける必要があります。SKAdNetworkは個人を特定せず集約され、計測できるイベントにも制約があります。アプリ広告は、計測の前提が違うことを理解したうえで設計してください。

まとめ

アプリ広告とWeb広告の違いは、掲載面ではなく「成果をどこで・どう測るか」にあります。Web広告は自社サイト内でCVを測れますが、アプリ広告はストアを経由するため、SDKやSKAdNetworkといったアプリ特有の計測が必要で、見るべき指標も予算の張り方も変わります。

見るべき指標は、Web広告がサイト内のCVR・CPA・ROAS、アプリ広告がCPIに加えて初回起動・継続・課金まで。アプリ広告でCPIだけを見るのは、Web広告でクリック数だけを見るのと同じくらい不十分です。さらに、アプリ広告は計測の遅延や制約があり、予算を薄く分散しにくいため、媒体を絞ってまとまった予算で学習を回すのが基本になります。

Web広告とアプリ広告は競合ではなく役割が違います。サイトでの獲得はWeb広告、アプリのインストールと定着はアプリ広告、と分けて、それぞれの計測前提に合った物差しで評価してください。予算配分や計測設計に迷う場合は、現状を共有いただければご相談に乗れます。

参考にした公式情報

  • Google 広告 ヘルプ(アプリ キャンペーン) https://support.google.com/google-ads/answer/6247380?hl=ja
  • Google 広告 ヘルプ(コンバージョン トラッキング) https://support.google.com/google-ads/answer/6167164?hl=ja
  • Apple Search Ads(Apple Ads) https://searchads.apple.com/
  • Meta(Facebook)アプリ広告 https://www.facebook.com/business/ads/app-ads
執筆者情報
LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

執筆者情報

LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

Webマーケティング会社・大手Web系企業を経て独立し、デジタルマーケティング業界で14年のキャリア。2018年より東京・福岡を中心に、Web広告運用やSEO対策・AIO対策などのデジタルマーケティング支援を大手・中小企業問わず行っています。100社以上のマーケティング支援の現場で得た知見をもとに、独自の知見とナレッジでコラムを発信しています。

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