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アプリ広告とは?アプリ内広告とアプリインストール広告の違いを解説

アプリ広告とは何かを、アプリ内広告とアプリインストール広告の違い、費用指標、媒体選定、ASO・計測設計まで実務目線で解説します。

「アプリ広告を始めたいが、種類が多くて何から手をつければいいか分からない」「アプリ内広告とアプリインストール広告は何が違うのか」。アプリの集客や収益化を考え始めた担当者が、最初に迷うポイントです。名前は似ていても、目的も、見るべき数字も、改善する対象もまったく違います。

ここを曖昧にしたまま出稿すると、「インストールは増えたのに使われない」「広告は出したのに収益につながらない」といったズレが起こります。アプリ広告は、広告の種類で選ぶより先に、自社のアプリ事業の"どの詰まり"を解きたいのかを決めることが大切です。

この記事では、アプリ広告を用語説明で終わらせず、アプリインストール広告とアプリ内広告を、目的・配信面・KPI・計測方法・改善対象の違いで整理し、自社のどの課題に効く広告かを判断できるように解説します。CPI(インストール単価)だけでなく、インストール後のイベント、継続率、課金、ストアの改善まで見据えた入口として、次に読むべき記事へつなげる構成です。なお、各媒体の仕様は変わるため、最新情報は公式でも確認してください。

弊社ではアプリ広告に対するサポートも行っております。もし自社アプリに合う広告の種類を、目的と計測環境から整理したいといったお悩みがあればぜひご相談ください。アプリ広告サービスの概要はこちらから。

この記事でわかること
  • アプリインストール広告とアプリ内広告の根本的な違い
  • 「広告の種類」ではなく「アプリ事業の詰まり」で選ぶ考え方
  • 目的別に見るべきKPI(CPIだけで判断しない理由)
  • iOSのATT・SKAdNetworkによる計測の制約と前提

まず押さえる結論:「広げる広告」と「中に出る広告」は別物

最初に、いちばん大事な区別から共有します。アプリインストール広告は"アプリを広めて使ってもらう"ための広告、アプリ内広告は"アプリの中に表示される"広告で、目的も立場も逆です。同じ「アプリ広告」という言葉でくくられがちですが、性質はまったく違います。

アプリインストール広告は、自社アプリを多くの人に知ってもらい、ダウンロードしてもらうための広告です。広告主(アプリを広めたい側)が出稿し、インストール数を最も基本的なゴールに置きます。一方、アプリ内広告は、アイコン広告やオファーウォール広告のように、すでにインストールされたアプリの中に表示される広告の総称です。こちらは、アプリ運営者が自分のアプリで広告収益を得たり、広告主が他社アプリの広告枠に出稿したりする場面で出てきます。「アプリを広めたい」のか「アプリの中の枠を扱いたい」のかで、見るべき世界がまったく変わるのです。

この記事では、多くの担当者が最初に検討する「アプリインストール広告(自社アプリを広める広告)」を主軸に解説します。自社アプリの集客を考えているなら、まず押さえるべきはこちらです。

ここで、もう一段踏み込んだ視点を共有します。アプリ広告は「広告の種類」で選ぶより、「アプリ事業のどの詰まりを解きたいか」で選ぶほうが、打ち手を外しません。新規インストールが足りないのか、ストアまで来ても入れてもらえないのか、入れた後に起動・登録されないのか、続けて使われない(継続率が低い)のか、課金につながらないのか。詰まっている場所によって、広告で解ける問題か、ストア改善(ASO)やアプリ内の改善で解くべき問題かが変わります。広告はあくまで「入口に人を連れてくる」施策で、その先の定着や課金は、アプリ側の体験が握っています。アプリ広告全体の種類や運用設計を俯瞰したい場合は、アプリ広告とは(全体解説)の記事も参照してください。

ワンポイントアドバイス:出稿の前に「自社が解きたいのは、新規インストール不足なのか、入れた後に使われないことなのか」を切り分けてください。前者は広告、後者はストアやアプリ内の改善が主役で、打ち手がまったく違います。

アプリインストール広告とアプリ内広告の違い

2つの広告を、実務で重要な観点で並べてみます。目的・ユーザーとの接点・見るKPI・改善対象が、それぞれ正反対の方向を向いているため、混同すると施策がちぐはぐになります。下の表で整理します。

観点 アプリインストール広告 アプリ内広告
主な目的 新規ユーザーの獲得(インストール) 収益化、または他アプリ枠への出稿
ユーザーとの接点 外部(他媒体・他アプリの広告面) アプリの内部(自社/他社アプリ内)
基本のKPI CPI、インストール後のイベント 表示・クリック収益、または獲得効率
主な改善対象 クリエイティブ・ストアページ・計測 広告枠の配置・ユーザー体験

自社アプリの集客が目的なら、見るべきはアプリインストール広告です。逆に、自社アプリで広告収益を得たいなら、アプリ内広告(の掲載面)の話になります。「ユーザーを増やしたい」のか「アプリで稼ぎたい」のかで、入口の広告が分かれると覚えておくと、迷いません。以降は、集客目的のアプリインストール広告を中心に掘り下げます。

CPIだけで判断しない:インストールの「先」を見る

アプリインストール広告で最も基本的な指標がCPI(Cost Per Install=インストール単価)です。CPIは「1インストールあたりの広告費」を表す入口の指標だが、これだけで良し悪しを決めると、使われないユーザーを安く集めるだけになる点に注意が必要です。

CPIの計算はシンプルで、広告費をインストール数で割ります。たとえば100万円の広告費で1万件インストールされれば、CPIは100円です。しかし、安くインストールを集めても、そのユーザーが起動せず、登録もせず、課金もしなければ、事業には貢献しません。CPIの安さだけを追うと、インストールしてすぐ消える"幽霊ユーザー"を量産することになります。

だからこそ、インストールの「先」にあるイベントまで見ます。初回起動、会員登録、特定機能の利用、課金、継続(リテンション)といった、事業価値に近いイベントを計測し、その単価や率で評価します。下の表は、目的別に見るべきKPIの例です。

目的 主に見るKPI
とにかく認知・母数を広げる インストール数、CPI
使ってくれるユーザーを獲得 初回起動率、登録率、登録あたり単価
収益につながる獲得 課金率、ROAS、継続率(リテンション)
中長期の事業性 LTV と CAC の関係、継続課金

CPIが高くても、その先で課金や継続につながる優良ユーザーが取れているなら、投資の価値があります。逆にCPIが安くても、定着しないユーザーばかりなら「安く失敗している」状態です。

仮の数値で考えると(実数ではなく説明用の例です)、CPI 100円で1万件インストールしても、課金に至るのが1%(100件)で1人あたりの利益が500円なら、得られる利益は5万円。広告費100万円に対して大きく赤字です。一方、CPI 300円でインストールが3,300件でも、ターゲットが合っていて課金率が5%(165件)あれば、同じ100万円でも利益の出方は変わります。CPIの安さは入口の効率に過ぎず、最終的な採算は「インストールの先」で決まる、という感覚を持っておくことが大切です。費用の詳しい考え方(CPI・CPA・ROASの計算と判断)は、費用相場の記事に整理しています。

iOSの計測制約:ATTとSKAdNetworkを前提に置く

アプリ広告を語るうえで避けられないのが、iOSの計測制約です。iOSではATTとSKAdNetworkの影響で、ユーザー個人を追う計測が大きく制限されており、これを前提に効果測定を設計する必要があります。ここを知らないと、「思ったように数字が取れない」と戸惑うことになります。

iOS 14.5以降、ATT(App Tracking Transparency)によって、ユーザーの許可なしに端末の識別子(IDFA)で追跡することがほぼできなくなりました。多くのユーザーが追跡を「許可しない」を選ぶため、従来のような個人単位の細かい計測は難しくなっています。これは、どの広告がどのユーザーのインストールにつながったかを正確にひも付けにくくなった、ということです。

代わりに、AppleのSKAdNetwork(SKAN)という仕組みが使われ、これはインストールやアプリ内イベントを暗号化・集約した形でのみ広告主に提供し、個人を特定できないようになっています。さらに、ATTの制約を補うために、Web経由でストアへ誘導する導線(Web to App)を組み、計測の欠損を補完する設計を取ることもあります。いずれにせよ、iOSの計測は「個人を追う」前提から「全体傾向を読む」前提へ変わった、と理解しておくのが出発点です。

つまり、iOSでは「誰が」ではなく「全体としてどの広告が効いたか」を、制約のある粒度で見ることになります。この前提を踏まえずに、Web広告と同じ精度の計測を期待すると、評価がかみ合いません。計測はMMP(モバイル計測パートナー)のツールを使い、SKANの設計やイベント計測を組むのが一般的です。SDK・イベント・ATT・SKAdNetworkの実装寄りの解説は、効果測定の記事に整理しています。

よくある失敗と、最初に確認すること

アプリ広告でつまずくパターンには、共通点があります。多くの失敗は、広告配信より手前(ストアページ・計測・イベント設計)の準備不足から起こるため、出稿前にそこを確認するだけで防げます。下の表は、典型的な失敗と最初の対応です。

失敗パターン 最初に確認・対応すること
インストールは増えるが使われない ターゲットとクリエイティブ、獲得後イベントの計測
広告をクリックされてもインストールされない ストアページ(ASO)、スクショ・説明文・評価
数字が取れず効果が判断できない SKAN・MMPの計測設計、イベント定義
CPIは安いが収益につながらない 課金・継続まで含めたKPIへの切り替え

特に見落とされやすいのが、ストアページと計測です。広告でストアまで連れてきても、ストアページのスクリーンショットや説明文、評価が弱ければ、その場で離脱されます。せっかく広告費をかけてストアに送客しても、ストアページで取りこぼしては意味がありません。広告とストアは一体で、ストアページの改善(ASO)は広告の成果に直結します。

たとえば、広告のクリックからストア表示までは取れているのに、そこからのインストール率(ストアCVR)が低い場合、原因は広告ではなくストアページにあります。このとき広告のクリエイティブをいくら変えても改善しません。詰まっている場所を見極めてから手を打つことが、無駄打ちを避ける鍵です。広告流入をインストール率改善につなげる設計は、ASO連携の記事に整理しています。

自社で進めるか、相談するか

最後に、アプリ広告を自社で進めるか、外部に相談するかの目安です。媒体の出稿自体は始められても、ATT・SKANを踏まえた計測設計やASO連携まで一体で組むなら、専門の支援を検討する価値があるというのが現実的な判断です。下のチェックリストは、相談前に整理しておきたい項目です。

相談前チェックリスト
  • 月額予算と、1インストール(または獲得)に許容できる単価
  • 何を成果とするか(インストール/登録/課金など)のCV地点
  • 計測の状態(MMP・SKAN・主要イベントの設計があるか)
  • ストアページ(ASO)の改善余地(スクショ・説明・評価)
  • 公開後に改善を回せる社内の担当・体制

媒体への出稿だけなら社内でも始められますが、iOSの計測制約への対応、イベント設計、ストア改善、媒体横断の評価まで一体で回すのは、専門性と工数が必要です。CPIだけで判断してよいか不安、計測がうまく取れない、という場合は、外部の知見を入れる価値があります。媒体運用・ASO・計測支援まで確認したい場合は、代理店の選び方の記事を参照してください。

自社アプリに合う広告の種類や、計測・媒体選定・ASO連携をまとめて見直したい場合は、現状の目的と計測環境を共有いただければ、設計の入口からご相談に乗れます。

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よくある質問

Q. アプリ内広告とアプリインストール広告は何が違いますか?

目的と立場が逆です。アプリインストール広告は、自社アプリを広めてダウンロードしてもらうための広告で、インストール数を基本のゴールにします。アプリ内広告は、すでにインストールされたアプリの中に表示される広告の総称で、アプリ運営者の収益化や、他社アプリ枠への出稿で使われます。自社アプリの集客が目的なら、見るべきはアプリインストール広告です。

Q. アプリ広告はCPIだけで判断してよいですか?

CPIは入口の指標ですが、それだけで判断するのは危険です。安くインストールを集めても、起動・登録・課金・継続につながらなければ事業には貢献しません。初回起動率、登録率、課金率、継続率(リテンション)、ROASといった「インストールの先」の指標まで見て評価してください。CPIが高くても、優良ユーザーが取れているなら投資の価値があります。

Q. iOSではなぜ計測が難しいのですか?

iOS 14.5以降のATT(App Tracking Transparency)により、ユーザーの許可なしに識別子(IDFA)で追跡することがほぼできなくなったためです。多くのユーザーが「許可しない」を選ぶため、個人単位の細かい計測が難しくなりました。代わりにAppleのSKAdNetwork(SKAN)が使われ、暗号化・集約されたデータのみが提供されます。この制約を前提に計測を設計する必要があります。

Q. ストアページ(ASO)は広告と関係ありますか?

大いに関係します。広告でストアまでユーザーを連れてきても、ストアページのスクリーンショット・説明文・評価が弱ければ、インストールされずに離脱します。広告とストアは一体で、ストアページの改善(ASO)は広告の成果に直結します。広告を出す前に、ストアページが「インストールしたくなる」状態かを確認してください。

Q. アプリ広告は自社で運用できますか?

媒体への出稿自体は社内でも始められます。ただし、iOSの計測制約への対応、イベント設計、ASO連携、媒体横断の評価まで一体で回すには、専門性と工数が必要です。CPIだけで判断してよいか不安、計測がうまく取れない、改善を回す体制がない、という場合は、外部の支援を検討する価値があります。まず自社で止まっている工程を見極めてください。

まとめ

アプリ広告は、まず「アプリを広める広告(インストール広告)」と「アプリの中に出る広告(アプリ内広告)」を区別することから始まります。目的も立場も逆なので、自社が解きたい課題に合うほうを選ぶことが出発点です。自社アプリの集客なら、アプリインストール広告が主役になります。

そして、アプリインストール広告では、CPIだけで判断しないことが重要です。インストールの先にある初回起動・登録・課金・継続まで見て、事業価値につながる獲得かを評価します。iOSではATTとSKAdNetworkの制約があるため、これを前提に計測を設計することも欠かせません。

多くの失敗は、広告配信より手前のストアページ・計測・イベント設計の準備不足から起こります。出稿前にここを確認し、CPIの先まで見られる体制を整えることが、アプリ広告を事業成果につなげる近道です。計測・媒体選定・ASO連携をまとめて見直したい場合は、現状を共有いただければご相談に乗れます。

参考にした公式情報

  • Google 広告 ヘルプ(アプリ キャンペーン) https://support.google.com/google-ads/answer/6247380?hl=ja
  • Apple Search Ads https://searchads.apple.com/
  • Meta(Facebook)アプリ広告 https://www.facebook.com/business/ads/app-ads
  • TikTok for Business ヘルプセンター https://ads.tiktok.com/help/
執筆者情報
LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

執筆者情報

LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

Webマーケティング会社・大手Web系企業を経て独立し、デジタルマーケティング業界で14年のキャリア。2018年より東京・福岡を中心に、Web広告運用やSEO対策・AIO対策などのデジタルマーケティング支援を大手・中小企業問わず行っています。100社以上のマーケティング支援の現場で得た知見をもとに、独自の知見とナレッジでコラムを発信しています。

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