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Core Web Vitalsとは?SEOで見るべき表示速度とUX指標

Core Web VitalsのLCP・INP・CLS、SEOへの影響、Search ConsoleとPageSpeed Insightsの使い分け、BtoBサイトでの改善優先度を整理します。
Core Web Vitalsとは?SEOで見るべき表示速度とUX指標

Core Web Vitalsを調べると、「LCP」「INP」「CLS」という専門用語が並び、PageSpeed Insightsの点数を上げる話に見えやすいです。

しかし、実務で大事なのはスコアそのものではありません。ユーザーがページを開き、内容を読み、フォームやボタンを操作し、問い合わせまで進む時にストレスが少ないかを確認することです。

結論から言うと、Core Web VitalsはSEOだけの指標ではなく、検索流入を問い合わせや商談につなげるためのUX指標です。特にBtoBサイトでは、サービスページ、ホワイトペーパーLP、セミナーLP、事例ページ、問い合わせフォームなど、CVに近いページの体験が悪いと、順位以前に機会損失が起きます。

補足ボックス|この記事でわかること

  • Core Web VitalsのLCP・INP・CLSが何を測る指標なのか
  • Core Web VitalsがSEOにどう関係するのか
  • Search ConsoleとPageSpeed Insightsをどう使い分けるべきか
  • BtoBサイトで改善優先度をどう決めるべきか
  • 開発チームや外部パートナーに何を依頼すればよいか

補足ボックス終了

Google Search Centralでも、Core Web Vitalsは読み込み、操作応答、視覚的な安定性という実ユーザー体験を測る指標として説明されています。詳しくはGoogle公式のCore Web VitalsとGoogle検索結果の関係でも確認できます。

この記事では、Core Web Vitalsを「SEOの点数」ではなく、サイト改善の優先順位を決めるための実務指標として整理します。

Core Web Vitalsは表示速度だけを見る指標ではない

Core Web VitalsとSEOで見る表示速度・操作性・レイアウト安定性を整理した図解

Core Web Vitalsは、Webページの体験品質を3つの観点で見る指標です。

指標 見ていること ざっくりした意味 良好の目安
LCP 読み込み体験 メインコンテンツが見えるまでの速さ 2.5秒以内
INP 操作応答性 クリックや入力に対する反応の速さ 200ミリ秒未満
CLS 視覚的安定性 読み込み中にレイアウトがズレないか 0.1未満

Googleの説明では、LCPは読み込みパフォーマンス、INPは応答性、CLSは視覚的安定性を測る指標です。現在のCore Web Vitalsはこの3つで構成されます。

ここで注意したいのは、Core Web Vitalsが単なる「表示速度」ではないことです。ページの表示が早くても、フォームをクリックした時に反応が遅い、CTAボタンを押そうとした瞬間にバナーが出て位置がズレる、ファーストビューの画像が遅れて表示される、といった状態なら、ユーザー体験は悪くなります。

SEOで見るべきなのは、ページが速いかどうかだけではなく、ユーザーが迷わず行動できる状態になっているかです。

BtoBサイトでは、ユーザーがいきなり問い合わせるとは限りません。記事を読み、サービスページを見て、事例を確認し、資料をダウンロードし、社内検討を経て問い合わせる流れが多くなります。その途中のどこかでページが重い、フォームが使いにくい、レイアウトがズレると、検索流入の価値が落ちます。

Core Web Vitalsは、その摩擦を数字で見つけるための入り口です。

LCP・INP・CLSの意味と見方

Core Web VitalsのLCP INP CLSの意味と良好基準を整理した指標表

Core Web Vitalsを改善するには、まず3つの指標の違いを理解する必要があります。PageSpeed Insightsで赤い数字を見るだけでは、何を直すべきか判断できません。

LCPはメインコンテンツが見えるまでの時間

LCPはLargest Contentful Paintの略で、ページ内の主要なコンテンツが表示されるまでの時間を測ります。

多くのページでは、ファーストビューの大きな画像、メインビジュアル、見出し、記事冒頭の大きなブロックなどがLCPの対象になります。サービスページであれば、ヒーロー画像やサービス名、LPであればキービジュアルやCTA周辺が対象になりやすいです。

LCPが悪いページでは、ユーザーがページを開いてから「何のページか」を把握するまでに時間がかかります。検索結果から来たユーザーは、最初の数秒で読むか戻るかを判断するため、LCPの遅さは体感上の離脱につながります。

LCP改善では、まずファーストビューで一番重い要素を特定することが出発点です。画像の圧縮だけでなく、サーバー応答、CSS、JavaScript、フォント、CMSのテンプレート、外部タグも原因になります。

INPは操作した時の反応の速さ

INPはInteraction to Next Paintの略で、ユーザーの操作に対してページがどれだけ早く反応するかを見る指標です。

たとえば、ボタンを押したのに反応が遅い、フォーム入力時にもたつく、メニューを開くまでに時間がかかる、絞り込み操作が重い、といった状態はINPに関係します。

以前はFIDという指標が使われていましたが、現在のCore Web VitalsではINPが中心です。INPは単に最初の操作だけではなく、ページ滞在中の操作応答性をより広く見ます。

BtoBサイトでINPが重要になるのは、問い合わせフォーム、資料請求フォーム、セミナー申込みフォーム、診断フォームなどです。検索流入が増えても、フォーム操作が重ければ、CVRは落ちやすくなります。

フォームやCTAの操作が重いページは、順位以前に問い合わせ機会を失っている可能性があります。

CLSはレイアウトがズレる不快感を測る

CLSはCumulative Layout Shiftの略で、読み込み中に予期しないレイアウトのズレがどれくらい起きるかを測ります。

たとえば、ページを読もうとした瞬間に画像が読み込まれて本文が下に押される、クリックしようとしたボタンの位置がズレる、広告やバナーが後から出てコンテンツが移動する、といった現象です。

CLSは見た目の安定性に関係します。ユーザーにとっては「ページがガタつく」「クリックミスが起きる」「読んでいる場所がズレる」という不快感になります。

CLSの原因は、画像サイズの指定漏れ、埋め込み要素、広告枠、Webフォント、後から挿入されるバナー、予約されていないCTA領域などです。BtoBサイトでも、MAタグ、チャットボット、ポップアップ、追従CTAが原因になることがあります。

CLS改善では、後から出る要素の表示領域をあらかじめ確保することが基本です。

Core Web VitalsはSEOにどう影響するのか

Core Web VitalsがSEOと問い合わせ導線の土台になる流れを整理した図解

Core Web VitalsはSEOに関係します。ただし、誤解しやすい点があります。

Core Web Vitalsを改善したからといって、必ず順位が大きく上がるわけではありません。Googleは、検索では関連性が高く役立つコンテンツを優先します。ページ体験は重要ですが、内容が薄いページをCore Web Vitalsだけで上位表示させるものではありません。

一方で、似たような内容のページが競合している場合、ページ体験が悪いサイトは不利になりやすいと考えるべきです。特に、検索結果から来たユーザーがすぐに戻る、フォームまで進めない、サービスページで読み込みが遅い、CVに近いページで操作が重い場合は、SEOと事業成果の両面で改善余地があります。

Core Web Vitalsは、順位を直接押し上げる魔法ではなく、検索流入の価値を落とさないための品質基盤です。

綱脇耕輔の実務見解としては、Core Web Vitalsは「全ページで100点を目指すもの」ではありません。むしろ、検索流入があるページ、問い合わせ導線に近いページ、テンプレート単位で多数ページに影響するページから改善する方が現実的です。

たとえば、月に数十PVしかない古い記事を細かく直すより、月間流入が多い記事テンプレート、サービスページ、問い合わせフォーム、ホワイトペーパーLPを優先した方が、SEOとCVRの両方に効きやすくなります。

Search ConsoleとPageSpeed Insightsを使い分ける

Core Web VitalsをSearch ConsoleとPageSpeed Insightsで確認する使い分け図解

Core Web Vitalsを確認する時、多くの人はPageSpeed Insightsを開きます。これは便利ですが、PageSpeed Insightsだけで判断すると誤解が起きます。

実務では、Search Console、PageSpeed Insights、Lighthouse、Chrome DevToolsを目的別に使い分けます。

ツール 何を見るか 実務での使い方
Search Console 実ユーザーのURLグループ状況 サイト全体の問題傾向を見る
PageSpeed Insights URL単位のフィールドデータとラボデータ 代表URLの原因を掘る
Lighthouse 開発環境や検証環境での診断 改修前後の比較に使う
Chrome DevTools 個別要素やJavaScriptの原因 開発チームが詳細調査する

GoogleのSearch Consoleヘルプでは、Core Web VitalsレポートはLCP、INP、CLSをもとに、URLの状態を「低速」「改善が必要」「良好」に分類すると説明されています。また、URLグループで表示されるため、PageSpeed Insightsの個別URL結果と一致しない場合もあります。

ここが重要です。Search Consoleは「サイト全体でどのURLグループに問題があるか」を見るものです。PageSpeed Insightsは「そのURLで何が原因になっていそうか」を見るものです。

Search Consoleで影響範囲を見て、PageSpeed Insightsで原因を絞るという順番にすると、改善作業の優先順位を決めやすくなります。

逆に、PageSpeed Insightsでたまたま1URLの点数が悪いだけで、全テンプレートを大きく変えるのは危険です。本番テンプレートを一括変更する前に、代表URLと検証環境で原因を確認してください。

BtoBサイトで優先して見るべきページ

BtoBサイトのCore Web Vitals改善で優先すべきページを整理した図解

Core Web Vitals改善は、全ページを同時に直そうとすると終わりません。特にBtoBサイトでは、ページごとの役割が違うため、優先順位を分ける必要があります。

ページ種別 優先度 見るべき指標 理由
サービスページ LCP / INP / CLS 問い合わせに近い
問い合わせフォーム INP / CLS 入力体験がCVに直結する
ホワイトペーパーLP LCP / INP 資料請求に直結する
セミナーLP LCP / INP 申込みフォームまでの導線が重要
検索流入の多い記事 中〜高 LCP / CLS 記事からサービス導線へつなげる
事例ページ LCP / CLS 比較検討中の読者が見る
会社概要・採用など 低〜中 CLS SEOより信頼感の維持が中心

この表のポイントは、Core Web VitalsをSEOだけで見ないことです。BtoBサイトでは、検索流入から問い合わせまでの距離がページごとに違います。

たとえば、記事ページのLCPが悪い場合、ユーザーが本文を読む前に離脱しやすくなります。サービスページのLCPが悪い場合、比較検討中のユーザーが内容を確認しないまま離脱する可能性があります。問い合わせフォームのINPが悪い場合、入力や送信時のストレスでCVを逃す可能性があります。

Core Web Vitals改善は、CVに近いページ、流入が多いページ、テンプレートで横展開できるページから始めるのが現実的です。

LCP改善ではファーストビューの重い要素を特定する

Core Web VitalsのLCP改善でファーストビューの重い要素を確認する図解

LCP改善で最初に見るべきなのは、ファーストビューで一番大きく表示される要素です。

サービスサイトでは、ヒーロー画像、背景画像、動画、メインコピー、ファーストビューのカード、スライダーなどが原因になりやすいです。記事ページでは、アイキャッチ画像、見出し、本文冒頭、広告やCTA領域が原因になることがあります。

よくある改善策は次の通りです。

  • 画像をWebPやAVIFなど軽い形式にする
  • ファーストビュー画像を適切なサイズで配信する
  • 重要画像を遅延読み込みしない
  • 不要なスライダーや重い背景動画を減らす
  • CSSやJavaScriptの読み込み順を見直す
  • サーバー応答時間を改善する
  • フォント読み込みで表示が遅れないようにする

ただし、画像圧縮だけで解決するとは限りません。WordPressやCMSのテンプレート、タグマネージャー、外部計測タグ、ABテストツール、チャットボット、MAツールが影響していることもあります。

LCP改善は「画像を軽くする作業」ではなく、ファーストビューを表示するまでの経路を短くする作業です。

BtoBサイトで特に見たいのは、サービスページとLPのファーストビューです。検索から来たユーザーが「この会社は自分の課題に答えてくれそうか」を判断する場所だからです。

綱脇耕輔の実務見解としては、LCP改善では「最も重い要素」と同時に「最も重要な訴求」を確認します。ファーストビューを軽くするために訴求力を落としてしまうと、CVRが下がる場合があります。逆に、訴求が弱いファーストビューを高速化しても、問い合わせにはつながりません。

INP改善ではフォームとCTAの操作体験を見る

Core Web VitalsのINP改善でフォームとCTAの操作体験を見る図解

INP改善では、ユーザーが操作する場所を中心に確認します。

BtoBサイトであれば、問い合わせボタン、資料請求ボタン、フォーム入力、ハンバーガーメニュー、FAQ開閉、料金表のタブ、導入事例のフィルター、セミナー申込みフォームなどです。

INPが悪い場合、次のような原因が考えられます。

  • JavaScriptが重く、クリック後の処理が遅い
  • タグや外部スクリプトが多すぎる
  • フォームの入力補助やバリデーションが重い
  • SPAやCMSのフロントエンド実装が複雑
  • アニメーションやスクロール処理が過剰
  • ユーザー操作と関係ない処理がメインスレッドを塞いでいる

INPはSEO担当だけで完結しにくい指標です。開発チーム、制作会社、CMS担当、タグ管理担当と連携して、何が反応を遅くしているのかを調べる必要があります。

INP改善では、フォームやCTAの操作が重いかどうかを、ユーザーの行動導線に沿って確認してください。

たとえば、問い合わせフォームの入力で反応が遅い場合、単にCore Web Vitalsのスコアが悪いだけではありません。ユーザーが入力途中でストレスを感じ、送信前に離脱する可能性があります。

Core Web Vitalsをマーケティング視点で見るなら、INPは特に重要です。なぜなら、問い合わせや資料請求の直前に関係することが多いからです。

CLS改善では後から出る要素を疑う

Core Web VitalsのCLS改善で後から表示される要素を確認する図解

CLSが悪いページでは、ユーザーが読もうとしている場所や押そうとしている場所がズレます。これは単なる見た目の問題ではありません。

BtoBサイトでよくあるCLSの原因は次の通りです。

  • 画像にwidth/heightやアスペクト比が指定されていない
  • YouTubeや地図などの埋め込み領域が後から広がる
  • Webフォント読み込みで文字幅が変わる
  • チャットボットやポップアップが後から表示される
  • Cookieバナーや追従CTAがコンテンツを押し下げる
  • 広告や外部ウィジェットが後から読み込まれる
  • フォームのエラー表示でレイアウトが大きく動く

CLS改善の考え方はシンプルです。後から出る要素に、最初から場所を用意しておきます。

たとえば、画像ならアスペクト比を指定する。埋め込みなら固定の表示領域を確保する。フォームのエラー文なら表示された時に大きく崩れない設計にする。追従CTAやポップアップは、本文を押し下げずに表示する。

CLSは、読者が意図しない動きを減らすための指標です。見た目の安定は、信頼感にも関わります。

特に資料請求フォームや問い合わせフォームでCLSが起きると、ユーザーの操作ミスにつながります。入力中に項目がズレる、送信ボタンの位置が変わる、エラー表示で画面が大きく動くといった状態は、CVの直前でストレスを増やします。

改善優先度はスコアではなく事業影響で決める

Core Web Vitals改善を流入や問い合わせへの影響で優先順位づけする表

Core Web Vitals改善でよくある失敗は、PageSpeed Insightsの点数だけを追うことです。

もちろん点数は参考になります。しかし、点数が低いページを順番に直すだけでは、事業成果につながりにくい場合があります。

改善優先度は、次の4つで判断します。

判断軸 見ること 優先度が高い状態
CV距離 問い合わせや資料請求に近いか サービスページ、LP、フォーム
流入規模 検索流入があるか Search Consoleで表示・クリックが多い
テンプレート影響 横展開できるか 記事テンプレート、事例テンプレート
改修難易度 すぐ直せるか 画像・CSS・タグ整理で対応可能

たとえば、サービスページのLCPが悪く、問い合わせ導線に近く、テンプレートで複数ページに影響しているなら優先度は高いです。一方で、流入もCVも少ない単発ページの点数が悪くても、優先度は下げてよい場合があります。

Core Web Vitals改善は、SEO順位だけでなく、流入、CVR、商談化率、改修コストを合わせて判断するべきです。

試算例:速度改善を投資判断として見る

ここでは架空の試算例として考えます。

月間10,000セッションあるサービスページ群があり、問い合わせCVRが1.0%、問い合わせから商談化率が30%、受注単価が100万円だとします。

項目 改善前 改善後の仮説
月間セッション 10,000 10,000
問い合わせCVR 1.0% 1.2%
問い合わせ数 100件 120件
商談化率 30% 30%
商談数 30件 36件
受注率 20% 20%
受注数 6件 7.2件
受注単価 100万円 100万円

この試算では、CVRが0.2ポイント改善するだけでも、月間の受注機会に差が出ます。もちろん、これは実績ではなく試算です。実際には商材、流入品質、営業体制、フォーム設計、広告導線、コンテンツ内容によって変わります。

それでも、Core Web Vitals改善を「SEOの点数上げ」として見るより、CVに近いページの体験改善投資として見る方が、社内で優先順位を説明しやすくなります。

開発チームに依頼する時は指標ではなく原因仮説で渡す

Core Web Vitals改善を開発チームへ依頼する時の原因仮説と依頼内容を整理した表

Core Web Vitals改善は、SEO担当者だけで完結しないことが多いです。開発チームや制作会社に依頼する時は、「LCPを良くしてください」だけでは不十分です。

依頼する時は、次のように整理すると進みやすくなります。

依頼項目 伝える内容
対象URL どのページ・テンプレートか
対象指標 LCP / INP / CLSのどれか
影響範囲 Search Console上のURLグループや代表URL
原因仮説 画像、JS、フォーム、タグ、埋め込みなど
事業影響 流入数、CV導線、フォーム到達など
期待する確認 改修前後のPageSpeed Insights、GSC推移

このように渡すと、開発チームは単なるスコア改善ではなく、どのページで何を直せばよいかを判断しやすくなります。

Core Web Vitalsは、SEO担当・マーケター・開発者の共通言語として使うと効果的です。

逆に、SEO担当が原因を見ずに「100点にしてください」と依頼すると、開発側は過剰な対応をしたり、重要ではないページに工数を使ったりします。

BtoBサイトでは、完璧なスコアよりも、問い合わせ導線に近いページで明らかな体験悪化を減らすことが優先です。

よくある失敗パターン

Core Web Vitals改善でよくあるスコア偏重や影響ページ未確認などの失敗を整理した図解

Core Web Vitals改善では、次のような失敗がよくあります。

PageSpeed Insightsの点数だけを追う

点数は便利ですが、点数だけを見ると本質を外します。

たとえば、ラボデータの点数は悪いが、Search Console上では実ユーザーのCore Web Vitalsが良好な場合もあります。逆に、PageSpeed Insightsの一部スコアが良くても、Search ConsoleのURLグループでは問題が出る場合もあります。

点数を見る前に、どのページ群に、どの指標の問題が、どれくらいの事業影響で出ているかを確認してください。

全ページを一気に直そうとする

全ページの速度改善を一気に進めようとすると、費用も時間も膨らみます。

まずは、Search Consoleで問題のあるURLグループを確認し、代表URLをPageSpeed Insightsで調べ、テンプレート単位で改善できるかを見ます。テンプレート単位で直せるなら、1回の改修で複数ページに効果が出やすくなります。

SEOだけの話として扱う

Core Web VitalsはSEOに関係しますが、UXやCVにも関係します。

サービスページの表示が遅い、フォームの反応が悪い、CTA周辺がズレる。こうした問題は、検索順位だけでなく問い合わせ数にも影響します。

Core Web VitalsをSEOだけの技術課題として扱うと、CV導線の改善機会を見落とします。

改修後の検証をしない

改修して終わりではありません。

PageSpeed InsightsやLighthouseではすぐに変化を確認できますが、Search ConsoleのCore Web Vitalsレポートは実ユーザーデータに基づくため、反映に時間がかかります。改修直後に「変わっていない」と判断するのは早すぎる場合があります。

改修後は、短期ではラボデータ、数週間単位ではSearch ConsoleやCrUX、可能であれば自社のRUMデータで確認します。

Core Web VitalsとCVRを一緒に見る

Core Web VitalsとCVRや問い合わせ率をあわせて見るデータモデル図解

Core Web Vitals改善を成果につなげるには、SEO指標だけでは不十分です。

見るべきなのは、Search Console、GA4、フォーム到達、問い合わせ数、商談化率の流れです。

データ 見ること
Search Console 表示回数、クリック数、対象URLグループ
PageSpeed Insights LCP/INP/CLSの原因候補
GA4 LP到達後の離脱、スクロール、フォーム到達
フォームデータ 入力開始、送信完了、エラー発生
CRM/SFA 問い合わせ後の商談化、受注単価

たとえば、検索流入は多いのにフォーム到達率が低いページでは、コンテンツ内容だけでなく、ページ速度、CTA位置、フォーム導線、モバイル体験を合わせて見る必要があります。

Core Web Vitalsが悪いからCVRが低い、と単純に断定することはできません。しかし、速度・操作性・視覚的安定性が悪いページは、CVR改善の調査対象として優先度が上がります。

データを扱う企業として見るなら、Core Web Vitalsは単独KPIではなく、問い合わせ導線のボトルネックを見つける補助指標です。

自社で確認する範囲と外部に相談する範囲

Core Web Vitals改善で自社確認と外部相談の範囲を分ける判断図解

Core Web Vitalsは、自社で確認できる範囲と、外部や開発チームに相談した方がよい範囲を分けると進めやすくなります。

自社で確認しやすいこと 外部に相談した方がよいこと
Search Consoleの問題URL確認 テンプレート単位の実装改善
PageSpeed Insightsで代表URLを見る JavaScriptのボトルネック調査
画像サイズや表示崩れの確認 CMSやフロントエンドの構造改善
CVに近いページの優先順位付け タグ管理・外部スクリプト整理
フォーム操作の体感確認 改修後の検証設計

自社で最初にやるべきことは、対象ページの棚卸しです。どのページが検索流入を持っているか、どのページが問い合わせに近いか、どのページ群が同じテンプレートで作られているかを確認します。

その上で、技術的な原因調査やテンプレート改修が必要なら、開発チームや外部パートナーに相談します。

Core Web Vitals改善は、診断、優先順位付け、開発実装、検証までを分けて進めると失敗しにくくなります。

Core Web Vitals改善チェックリスト

Core Web Vitals改善で確認する対象ページ 指標 原因 事業影響 実装管理のチェックリスト

最後に、Core Web Vitalsを見る時のチェックリストを整理します。

現状把握

  • Search ConsoleでCore Web Vitalsレポートを確認したか
  • モバイルとPCを分けて見ているか
  • 問題が出ているURLグループを確認したか
  • 代表URLをPageSpeed Insightsで確認したか
  • ラボデータとフィールドデータの違いを理解しているか

優先順位

  • 問い合わせに近いページを優先しているか
  • 検索流入が多いページを優先しているか
  • テンプレート単位で横展開できるか
  • 改修難易度と事業影響を分けて見ているか

改善観点

  • LCP対象のファーストビュー要素を特定したか
  • INPに関係するフォームやCTAを確認したか
  • CLSの原因になりそうな後出し要素を確認したか
  • タグ、チャット、ポップアップ、MAツールの影響を見たか
  • 改修後に検証する指標を決めたか

このチェックリストを使うと、Core Web Vitalsを「スコア改善」ではなく「サイト改善の業務」として整理しやすくなります。

まとめ

Core Web Vitalsは、LCP、INP、CLSという3つの指標で、ページの読み込み、操作応答、視覚的安定性を測るものです。

SEOに関係する指標ではありますが、Core Web Vitalsだけで順位が保証されるわけではありません。重要なのは、検索流入したユーザーがページを読み、操作し、問い合わせや資料請求に進みやすい状態を作ることです。

BtoBサイトでは、サービスページ、問い合わせフォーム、資料請求LP、セミナーLP、検索流入の多い記事テンプレートから確認してください。

PageSpeed Insightsの点数だけではなく、Search ConsoleのURLグループ、GA4の行動データ、フォーム到達率、問い合わせ数、商談化率まで合わせて見ると、改善の優先順位が見えやすくなります。

Core Web Vitals改善で迷ったら、まずは次の順番で進めるのが現実的です。

1. Search Consoleで問題のあるURLグループを確認する 2. CVに近いページと流入の多いページを優先する 3. PageSpeed InsightsでLCP・INP・CLSの原因候補を見る 4. 画像、JS、フォーム、タグ、レイアウトの問題を切り分ける 5. 改修後にラボデータとフィールドデータの両方で確認する

Core Web Vitalsは、SEO順位のためだけでなく、問い合わせにつながるサイト体験を整えるために見る指標です。

よくある質問

Core Web VitalsはSEO順位に直接影響しますか?

Core Web Vitalsはページ体験に関係するシグナルとしてSEOに関係します。ただし、Core Web Vitalsだけで順位が大きく上がるとは考えない方が現実的です。コンテンツの関連性、専門性、サイト全体の品質、内部リンク、被リンク、検索意図への適合などと合わせて評価されます。

PageSpeed Insightsで100点を目指すべきですか?

必ず100点を目指す必要はありません。点数よりも、LCP、INP、CLSのどこに問題があるか、対象ページが検索流入やCVに近いか、改善によって事業成果に影響するかを見てください。

LCP・INP・CLSのうち、どれを優先すべきですか?

ページの役割によって変わります。ファーストビューが重いサービスページならLCP、問い合わせフォームやCTAの操作が重いならINP、画像やバナーでレイアウトがズレるならCLSを優先します。Search Consoleで問題が出ているURLグループと、CVに近いページを合わせて判断してください。

Search ConsoleとPageSpeed Insightsの結果が違うのはなぜですか?

Search Consoleは実ユーザーデータをもとにURLグループで表示します。PageSpeed Insightsは個別URLのデータやラボデータを表示します。そのため、同じページでも結果が一致しないことがあります。全体傾向はSearch Console、原因調査はPageSpeed InsightsとLighthouseで見るのが実務的です。

Core Web Vitals改善は自社だけでできますか?

画像圧縮や表示崩れの確認など、自社で対応しやすい範囲もあります。一方で、JavaScript、CMSテンプレート、外部タグ、サーバー応答、フォーム挙動などは開発チームや外部パートナーの協力が必要になることが多いです。まずは対象ページと問題指標を整理し、原因仮説を持って相談すると進めやすくなります。

参考にした公式情報

執筆者情報
LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

執筆者情報

LOads 代表取締役 綱脇 耕輔

Webマーケティング会社・大手Web系企業を経て独立し、デジタルマーケティング業界で14年のキャリア。2018年より東京・福岡を中心に、Web広告運用やSEO対策・AIO対策などのデジタルマーケティング支援を大手・中小企業問わず行っています。100社以上のマーケティング支援の現場で得た知見をもとに、独自の知見とナレッジでコラムを発信しています。

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